Microsoftは「PowerPoint」に、人工知能(AI)による機能を追加し続けている。2015年には「PowerPoint Designer」と「Morph」を発表した。この2つのクラウドベースの新機能は、Microsoftのリコメンデーションおよびスマートアニメーション技術を基盤にしている。そして同社は米国時間6月18日、同様の方向性でさらに多くの新たなPowerPointの機能をリリースした。
PowerPoint Designerは、MicrosoftがPowerPointのスライドをより簡単かつ直感的に作成できるようにするために導入した機能群だ。
Microsoftは次の動きとして、顧客がDesignerを使ってブランドのテンプレートを使用したり作成したりできる機能を追加する。同社によると、Designerにブランドテンプレートのサポートを追加することに関しては、多くのプレゼンテーションで企業のブランディングガイドラインを順守する必要があることから、Designerの機能として特に顧客の要望が多かったという。
ブランドテンプレートに対応したDesignerは、「Windows 10」および「Mac」版「Office 365」の「Office Insiders」テスターを対象に提供が始まっている。
Designerユーザーは、スライドのオプションとしてMicrosoftが「perspectives」と呼ぶ機能も利用できるようになる。perspectivesは大きな数値を感覚的に理解できるような基準(たとえば、「1500マイルは米国を横断する距離の約半分」)を自動的に示してくれる。この機能はすでに「Bing」に組み込まれており、Microsoft Researchの「Perspective Engine」技術を利用している。Microsoftはこれを、まずは英語限定でOffice 365の加入者に提供を開始する。
Designerには、「Theme Ideas」も加わった。この機能は、空のスライドに入力された言葉に基づいて、さまざまなテーマのスタイルや色に合う(商用ライセンスが付与された)写真やアイコンをユーザーに提案してくれる。
Designer Theme Ideasは、「Windows」とMac版PowerPointのほか、Office 365加入者向けのウェブ版PowerPointで提供が開始されている。
Microsoftはさらに、新たなフィードバックの仕組みとして「Presenter Coach」をPowerPointに追加する。この機能を利用すると、PowerPointのプレゼンテーションをリハーサルして、話している間に、説明のペースや言葉の選択、テクニックについてリアルタイムで提案を受けられる(スライドを単に一字一句読み上げるだけではいけない、など)。Presenter Coach機能では、リハーサルが終わるたびに提案や評価指標を含むレポートが提供される。
Microsoftは、Presenter Coachを「2019年夏」に、まずはウェブ版PowerPoint向けにリリースするという。
PowerPointに実装されるこれらの新機能は、「Office 2019」など、「恒久的」な非サブスクリプション型の製品向けではない。Office 365に組み込まれたバージョンのPowerPointとウェブ版PowerPointに限定して提供される。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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