10代の子たちがこのような無料音楽アプリを利用するもう1つの大きな理由は、言うまでもなく可処分所得が少ないためだ。プリクラ機でも音楽が流れるようになっているなど音楽が生活に欠かせない子が多いが、漫画と同様、なるべく無料で楽しむのが習慣となっているようだ。
大学でも大半の子がMusicFMを使っているという。また、ある業界人から「DJに興味があると言っていたのに、その子が音源にYouTubeを使っていて音質にこだわりがないのに驚いた」という話も聞いた。
ただしお金がない10代でも、「好きなミュージシャンはCDを買うしライブも行く」という子は多い。「大ファンだからCD2枚買った」という子もいるほどだ。本当に好きな場合は大画面で見たり、音質にこだわったり、モノとして所有したいと思うことが多いのだ。
このように著作権に関する意識がかなり薄く、逆にコストパフォーマンスに関する意識が高いのが今の10代だ。しかし、お金を使うべきところに使わなければもう手に入らなくなる可能性があること、違法は違法であることは教えていくべきだろう。子どもの音楽の利用状況について一度話してみてはいかがだろうか。
高橋暁子
ITジャーナリスト。書籍、雑誌、Webメディア等の記事の執筆、企業等のコンサルタント、講演、セミナー等を手がける。SNS等のウェブサービスや、情報リテラシー教育について詳しい。
元小学校教員。
『スマホ×ソーシャルで儲かる会社に変わる本』『Facebook×Twitterで儲かる会社に変わる本』(共に日本実業出版社)他著書多数。
近著は『ソーシャルメディア中毒 つながりに溺れる人たち』(幻冬舎)。
ブログ:http://akiakatsuki.hatenablog.com/
Twitter:@akiakatsuki
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