デジタル銀行のMonzoは、そのアプリベースで顧客重視のツールによって英国で大人気となった。そしてこの夏に米国に進出することを、現地時間6月13日に発表した。
Monzoは2015年に英国のバンキング業界に登場し、資金管理をデジタル化したいと願う人たちの間で瞬く間に支持を集めた。最初の頃、人々は先を争ってMonzoへの登録順番待ちリストに殺到し、以降、その特徴的とも言える派手なサンゴ色の非接触型銀行カードは英国各地の支払い場所でよく目にするようになった。
Monzoは、新たなタイプの「チャレンジャーバンク」の1つにすぎない。チャレンジャーバンクとは、従来の銀行業界がやったことのない方法でデジタルネイティブたちにサービスを提供するため、新しいツールや機能の導入を意図している銀行のことだ。これは競争の激しい市場で、あらゆる階層にライバルがいる。たとえば、RevolutやStarlingなど英国の他のフィンテック新興企業や「Apple Card」などの新サービスのほか、負けじとサービス強化を図ろうとしている大手銀行もライバルとなる。
Monzoは現在、英国で最も急成長している銀行で、英国の顧客は200万人を突破し、毎週4万人がMonzoで口座を開設しているという。
人気の理由の1つとして考えられるのは、Monzoブランドの柱となっているスタンスとして、銀行が(その名前も含めて)どう見えるべきかや、どういった機能を備えるべきかの決定権を顧客基盤に委ねていることだ。そのため、米国進出に際しては、英国でやっていたことをそのまま繰り返すのではなく、新たな顧客に合わせてサービスを展開する方針だ。
当初は、Monzoの「軽量」版アプリで米国の顧客に既存の機能をいくつか提供する予定だ。そうした機能には、即時の支出通知や個人間決済、貯蓄と支出を分けておける「Pots」などがある。次のステップは、米国各地でイベントを開催して、人々が銀行に求める機能を調査し、実際に組み込んでいくことだ。
Monzoは米国でまだ正式な銀行としての地位を確立していない。パートナー銀行と協力して、顧客の資金を確実に保護するという。米国の銀行としての完全な認可を申請する計画もある。
米国市場で成功を収めるのは、Monzoにとってはるかに大きな挑戦だが、非接触型カードが普及し、消費者が新たな決済手段を受け入れている現在、挑戦してみるには絶好の好機だ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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