自分が毎日、何を口にしているのか把握しているだろうか。よく考えてみよう。最近の研究によると、平均的な米国人は、1人あたり毎年およそ5万のマイクロプラスチック粒子を食べている計算になるという。ごちそうさま。
これは、米国時間6月5日、学術誌「Environmental Science & Technology」に掲載されたレポートによる数字だ。この研究を進めた科学者たちは、一般的な米国人の食事に関する先行研究25件のデータを用いて、食品に含まれているマイクロプラスチック粒子の量を計算した。これに加えて、米政府の栄養ガイドラインも参考にして、平均的な人間が1年間で摂取するプラスチック粒子の量を求めている。調査対象の食品には、魚、貝類、砂糖、塩、ビールなどが含まれていた。
1人あたり年間5万のマイクロプラスチック粒子を摂取しているというのは成人の場合の数値だが、子どもでも大差はなく、年間4万となっている。
マイクロプラスチックを摂取するのは、食品からとは限らない。研究によると、水を飲む、あるいは呼吸をするだけでもマイクロプラスチックを摂取することになるという。大きな原因はボトル入りの飲料水だという結果が出ている。
「必要とされる水分量をボトル入りの水だけでまかなった場合、さらに毎年9万のマイクロプラスチック粒子を摂取することになる。一方、水道水のみの場合にはこれを4000に抑えられる」、と研究では報告されている。
しかも、これは過大な計算ではないことに注意してほしい。研究の対象になったのは、ごく一部の食品だけで、その計算結果は「過小である可能性が高い」のだという。
摂取するマイクロプラスチックの量は、特にボトル入りの水から水道水に切り替えるなどすれば、減らすことができるかもしれない。だが、完全に回避するのは、残念ながら難しい。
「マイクロプラスチックは、生態系の至るところに存在する」とレポートの著者らは指摘している。
マイクロプラスチック粒子は、「大半がプラスチックごみの分解から生じる」と、英国の新聞The Guardianが報じている。同紙の分析によると、マイクロプラスチックを消化することで人体にどのような影響があるかは不明だが、有毒物質を放出したり、免疫反応を引き起こしたりする可能性があるとされている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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