検索サイトなどで「バスツアー」で調べると、旅行会社が企画したフルーツ狩りや牧場体験、温泉巡りなどのツアーが数多くヒットする。こうした定番のツアーは根強い人気を誇るものの、そこから一歩踏み込んだ、より特別な体験ができるツアーを求めている人も多いのではないだろうか。ここに着目したのがワンダートランスポートテクノロジーズ代表の西木戸秀和氏だ。
同社は、誰でも日本全国の貸切バスツアーを企画して、集客から決済までを一括で完結できるプラットフォーム「busket(バスケット)」を4月23日に公開した。野外音楽フェスティバルやスポーツ大会、芸術祭、地域活性化イベントなど、交通アクセスが課題になりがちなイベントに対して、10〜50人乗りのバスを配車予約し、集まった人数に応じてツアー化できるサービスだ。バス会社とは同社が旅行業者(第2種旅行業)として代理店取引をしている。
ツアーの作り方はこうだ。企画者がbusket内のオーガナイザー用ページから、バスの出発場所や目的地の到着時間などを記入すると、自動的にバス料金が算出される。そこから最低催行人数を入力するか、1人あたりのバス料金を設定すると、何人集まれば実施できるかが自動で設定されるという。
ツアーのコンテンツ費用や入場チケット代金、施設の利用料金など、バス料金以外で必要になる料金を設定し、最終的にツアーとして販売するチケットの価格を決める。詳しいツアー内容をbusketに掲載後、設定した募集期間内に最低催行人数に達するとツアーが実施される、という流れだ。
ツアーについては、当初は同社の審査を通過し、busketの担当者とともに内容をブラッシュアップしたものが掲載される。掲載料金や初期費用は発生せず、ツアー実施後の売上げから手数料を引いた金額が企画者に支払われるという。なお、参加者が集まらなければツアーは実施されず、それまで集まった参加費も返金する。
現在は、「アーティストと巡るスタジオ訪問」(1日/神奈川・東京)、「奈良美智『N's YARD』訪問バスツアー」(1日/栃木県那須高原市)」、「フェンバーガーハウスと浅間縄文ミュージアムを巡るバスツアー」(1日/長野県佐久市) などのツアーが参加者を募集中。参加したいユーザーは、好みのツアーを選び、チケットを選択後、クレジットカードか銀行振込のいずれかで代金を支払うことで応募できる。
5月21日には、個人に加えて、法人向けのツアーサポート事業も開始した。企業が持つ商品やサービスの、PRやマーケティング、ブランディングの一環として、ツアーという新しい活用手段を提供するものだ。第1弾としてキリンホールディングスが支援する、全国規模で地域の食と人をつなぐ「地域創生トレーニングセンタープロジェクト」を通じてビアツーリズムをサポートする。
ビアツーリズムは、地域創生トレーニングセンタープロジェクトから生まれた地域プロデュース会社であるInter Local Partnersが事務局になり、その地域ならではの"コト"を楽しみ、最高の一杯を味わうための旅を提供するフードツーリズム。各地の地域プロデューサーが企画する、地域の食の魅力をビール片手に楽しめる様々なツアーを提供しているという。
今後は、大手町・丸の内・有楽町エリア全体をキャンパスとした市民大学「丸の内朝大学」が運営する「ニッポン就職課」の活動の一環であるツアー旅行を同社が主催するなど、様々な企業や団体のツアーをサポートしていく予定だという。
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