Jeff Bezos氏にとって、2019年はこれまで穏やかではなかった。もちろん、株主宛ての書簡からはそのような様子はうかがえない。
Amazonの創業者で最高経営責任者(CEO)のJeff Bezos氏は株主宛の年次書簡で、サービスを革新する同社の取り組みなどについて広く語るとともに、自身の長期的な事業の計画を明らかにしている。2019年も同様に、クラウド事業「Amazon Web Services(AWS)」向けに構築され、成功した多数の機能や、Amazonのスマートスピーカー「Echo」の成長について語っている。
書簡の中でBezos氏はまず、Amazonの独立系販売業者の力強い成長を示した。Amazonでの流通総額の58%が現在、こうしたサードパーティーの販売業者によるもので、Amazonの販売によるものではないという。Amazonはこの数年間、同社のプラットフォームで中小規模の企業を支援する取り組みを強調し、それによって、Amazonが地元企業に損害をもたらしている、実店舗を廃業に追い込んでいるといった印象を払拭しようとしてきた。
Bezos氏は書簡の中で、「サードパーティー販売業者が、ファーストパーティーであるわれわれを大きく打ち負かしている」と述べている。
サードパーティー販売業者に関するBezos氏のコメントについて、複数のメディアが、大手ハイテク企業の分割を要求する動きと関連付けて報じている。特に2020年の米大統領選への出馬を表明している上院議員Elizabeth Warren氏の提案が議論を呼んでいる。Bezos氏のコメントは、独占禁止をめぐるそのような懸念に対して防衛線をはるものと受け止められるかもしれない。
Bezos氏がこれらの書簡で成長事業を称賛するのは例年通りだが、やはり最近の懸念事項に触れることを避けているのは明らかだ。Amazonは2月、ニューヨーク市に第2本社を建設する計画を撤回した。ニューヨーク市に従業員2万5000人を収容する本社を建設する計画だとされていたが、地元の活動家や政治家の激しい反対を受け断念した。また、妻のMacKenzie Bezos氏と離婚することを発表してから数カ月間、プライベートに関しても注目を浴びていた。
Bezos氏は、離婚については公にコメントしているが、ニューヨーク本社建設の計画を断念したことについては、公に発言することを概ね避けてきた。
またBezos氏は書簡の中で、競合する小売業者に対して最低賃金を引き上げるように求めている。Amazonは2018年11月に米国での最低時給を15ドル(約1700円)に引き上げた。
同氏は、「当社と競合する大手小売業者(どの企業であるかはわかるだろう)は、当社の福利厚生と最低時給15ドルに釣り合うようにしてはどうかと提案したい」と述べている。「ぜひやってみてほしい。16ドルにして、逆に当社に挑戦状をたたきつけてくれればなおよい。誰もがメリットを得られるような競争になるだろう」(Bezos氏)
Costcoは3月、店舗従業員の最低時給を15ドルに上げており、Targetも2020年末までに15ドルに引き上げる予定だ。Walmartの最低時給は11ドルだ。
また同日、ベンチャーキャピタリストで1996年からAmazonの取締役を務めてきたTom Alberg氏が退任することも発表された。Bezos氏も11日、Amazonにおける同氏の貢献に感謝の意を表した。
Been an honor & pleasure having Tom Alberg on Amazon’s Board. Tom joined in 1996 and has been with us ever since - over 22 years. I’ll miss his sound judgment, deep well of business & life experience, and his quick wit. He's a smart business person and even better human. Thx Tom!
— Jeff Bezos (@JeffBezos) 2019年4月11日
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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