――その後プロジェクトが進み、プロダクトが完成します。そうすると、新規事業の最後の部分というのは、このプロジェクトへの評価になると思います。プロジェクト自体のほかに、人事面での評価にも繋がると思いますが、その点はいかがでしょうか。
評価についてははまだ模索段階です。明確な基準や定義もできていないので、そこは課題です。ただ、以前から全社でも8~9割は現業の推進、1~2割で新しいことにチャレンジするというバランスを提唱してきましたので、社内にも一部定着しつつあります。これを、明確に会社の方針に変えるべきタイミングかなと感じています。
プロジェクト自体の評価については、ある段階でこのプロジェクトのKPI(事業評価指標)をどうするか、というのは決めています。それが達成できなければ失敗。プロジェクトの途中でもいろいろ検討して、たとえば本来やりたかったことと変わっていた場合、その時点での続行の是非も考えます。最後まで行くとどうなるか、最後まで行けるのか、というのも経験で判断します。
――新規事業のプロセスの部分で、それぞれジレンマを抱えてたり壁を越えられない人というのは大勢いると思います。新しいことを始める人たちに押さえてもらいたいポイントはありますか。
一般的ですが、熱意はとても大事ですよね。あとは、協力関係を得られるようにすること。自分一人では新規事業はできませんから。あらゆるプロジェクトで最初にやるのは、我々は何を変えるかというビジョン作り、共感作りです。委託先であっても、今回このプロジェクトで為し得たいことを描いて共感を強くしていくということは大事です。あと信念、どんな手を使ってでもやりきることも重要です。直球だけではうまくいきませんので、常にやるためにあらゆる球種を使ったり、攻守を調整するという姿勢が重要です。
――では最後に、アクセラレータとして松橋さん自身はどうスキルアップしていこうとお考えですか?
ブルーオーシャンサービスを何個か出すことですね。それによって周りが認めてくれるはずなので。今もいくつか進めていて、これを見出そうとしています。
自分のスキルを上げるという点では、次の大きなテーマはデータビジネスです。私の配下にデータビジネスチームを作って、大きなテーマに取り組んでいます。スキルアップは両輪ですね。アクセラレートする力と、自分で推進する力、両方常に実行し続けるという感じです。自分のスタイルを固定すると「私はこれだけなんだ」と退化してしまうので。これやりきったらまた違うことをやろうとならないとダメですね。自己変化を続けることだと思います。近々、内定者に「自己変革は必要ですよ」って話をするのですが、これは自分に向けて言うんです。自己暗示ですね。言ったらやりますので。宣言してやりきる力も大事ですよね。
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