ポートレートモードは、人や物など、対象が決まっているものを撮影するにはぴったりだ。
しかし、ズームはできず2x固定となり、f2.8の手ぶれ補正なしのカメラが手動での撮影となるため、暗いところには弱い。また、Live PhotosやHDRといった撮影機能も、諦めなければならない。
手元のiPhone 7 PlusにiOS 10.1をインストールして1週間ほど試した結果、すべての写真をポートレートモードで撮影することはなかった。「ここぞ」というときにONにするという使い方に落ち着いている。
ただ、ちょっと長めの明るい単焦点レンズに交換したような写真が、ワンタップのモード切替でいつでも撮影できるのだ。これは非常に画期的だと感じたし、冒頭の驚きと悔しさを感じる理由でもあった。
もちろん、風合いやレンズが持つ味といったものは、iPhone 7 Plusのポートレートモードにはないし、ベータ版であることを加味しても、植物のような複雑な奥行きを持つ被写体では難しさも残る。
ただ、人物を捕えたとき、明るい単焦点レンズと比較して「ありえない」ことがあるとすれば、2m程度の近距離で撮影して背景があれだけボケながら、被写体だけは、鼻先にも耳にもフォーカスが合っている点だった。
メカニズムの問題を無視し、欲張りであることは重々承知の上で、ぜひAppleにお願いしたいことがある。
「ぜひ、FaceTime HDカメラにも、ポートレートモードを搭載してほしい」ということだ。
明るい単焦点レンズで狙うのがいままでのポートレートだとすれば、セルフィーは現代のポートレートともいえる。ならば、内側にある自撮りカメラにも、ポートレートモードをつけるべきだ。
iPhone 7 Plusのポートレートモードは、2つのカメラを駆使して被写体を9つのレイヤーで立体的に捉え、背景と分離して、被写体はくっきりとフォーカスを合わせ、背景にはキレイなボケを加えるしくみだ。
そのため、カメラが1つしかないFaceTime HDカメラでは、iPhone 7 Plusと同じ仕組みでポートレートモードは搭載できない。ただ、少し撮像に時間をかければ、1つのカメラでも実現可能ではないだろうか。
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