NTTドコモは9月13日、2つの新技術「256QAM」と「4×4MIMO」を導入し、LTE-Advancedをさらに高度化した受信時最大500Mbps以上の高速通信サービスを、2017年3月に開始することを発表した。サービス開始当初から、東京23区や名古屋市、大阪市など70都市の約1100局で、一斉に展開するという。
ドコモは2016年5月に、複数の周波数帯を束ねる「キャリアアグリゲーション」の周波数帯を2つから3つに拡張することで、国内最速の受信時最大375Mbps(FDD)の通信サービスを開始。また、6月には新たな周波数帯3.5GHzを導入したことで大容量化した受信時最大370Mbps(TDD+FDD)の通信サービスを開始している。
同社は、効率的にLTE-Advancedをエリア展開するために、1つのマクロセル(出力の大きい基地局)の中に複数のスモールセル(小出力の基地局)を追加し、複数の基地局を一元的に制御できる「高度化C-RAN」技術を導入している。また、あらかじめ高速化に対応するアンテナ装置などを設置することで、基地局のソフトウェア更新によって、一斉に高速化できるとしている。
今回新たに発表された受信時最大500Mbps以上の通信サービスは、複数のアンテナを組み合わせてデータを送受信する技術である「MIMO(マイモ)」と、複数の情報を一度に送る変調方式である「QAM(カム)」の拡張によって実現するという。
具体的には、これまで2本だった基地局と端末のアンテナ数を4本に増やし、データを多重で伝送することで、3.5GHz帯の電波を利用して実現していた受信時最大370Mbps(TDD+FDD)の通信サービスを受信時最大512Mbpsへと高速化するという。また、これまで64QAM(6ビット)の情報量を運んでいたものを、256QAM(8ビット)に増やすことで、約1.33倍の高速化を実現。これまで最速だった受信時最大375Mbps(FDD)のネットワークを最大500Mbpsへ高速化する。
同社によれば、たとえば5分間の4K動画の場合、受信時最大500Mbpsの通信サービスでは、LTEの受信時最大150Mbpsサービスと比べて、約3分の1の30秒でダウンロードできるようになるという。今後もキャリアアグリゲーションの拡張による高速化を進め、2017年度以降にLTE-Advancedでの受信時最大1Gbpsの通信サービスの提供を目指すとしている。
なおドコモは同日、料金プラン「カケホーダイ&パケあえる」において、大容量パケットパック「ウルトラパック」を、9月14日から提供すると発表した。20Gバイトで月額6000円の「ウルトラデータLパック」、30Gバイトで月額8000円の「ウルトラデータLLパック」を提供。また、家族でデータ量をシェアできるウルトラシェアパックも用意した。50Gバイトで1万6000円の「ウルトラシェアパック50」、100Gバイトで2万5000円の「ウルトラシェアパック100」を提供する。
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