ユーザーは「OK Google」と呼びかけて、Google Homeに何でも尋ねることができる、とPichai氏は説明する。Pichai氏のオフィスに置かれたスマートフォンの1つが、同氏の呼びかけに反応し、急に音を発して起動した。しかし、Googleは今後、呼びかけの言葉をもっと追加するかもしれない。例えば、「Hey Google」などだ(現在、米国では、Android端末にインストールされたGoogleアプリで、20%以上の検索が音声で実行されていることを同氏は付け加えた)。
Google Homeでは、ユーザーが普段検索ボックスに入力するようなことを何でも頼むことができる。フライトが遅れたり、荷物が到着したりした場合は、そのことを通知してくれる。カレンダーの次の予定も教えてくれる。Google Homeは照明を落として、映画の再生を開始し、Googleの35ドルのChromecastなど、ほかのガジェットと連携することも可能だ。つまり、ユーザーはさまざまな部屋に設置されたスピーカーに音楽を同期したり、テレビでコメディードラマ「Broad City」をキューに追加したりすることもできる。
さらに、さまざまな訛りや子供がしゃべった命令も理解する。子供のませた質問を理解するのは、容易なことではない。「自分の子供に端末への話し方を教え込むことはできない」とChandra氏は笑いながら述べた。「私の子供は言いたいことを言うだろう。それは本当に自然な双方向の会話のように感じられなければならない」(同氏)
またGoogle Homeは、ユーザーが旧来のGoogleウェブ検索で既に利用しているのと同じプライバシー設定を提供する。同社で検索のエンジニアリング担当バイスプレジデントを務めるScott Huffman氏は、「規定もプライバシーもコントロールもすべて同じだ」と話す。したがって、ユーザーは検索履歴を削除したりすることができる。
Googleの親会社Alphabetには、スマートホーム製品を作る別の部門がある。2014年に30億ドルで買収されたNestは、「iPod」の生みの親として知られる元Apple幹部Tony Fadell氏の指揮の下、ウェブ接続機能を備えたサーモスタットや煙感知器、セキュリティカメラを製造している。そこで、Nestの製品群と互換性のあるGoogle HomeがNest製でないのはなぜか、という疑問が生じる。
それは、Googleがいくつかの異なる環境にコンピューティングをもたらすことに関心を抱いているからだ、とPichai氏は話す。「ユーザーのスマートフォン、ウェアラブル、自動車、自宅だ」と同氏は言う。ほかの何よりもそれこそがGoogle Homeの狙いなのである。
GartnerのアナリストであるBrian Blau氏は、GoogleがGoogle Homeで直面する大きな課題はテクノロジではない、と語る。課題はGoogle Homeデバイスをユーザーに認識してもらうことだ。Amazon Echoが成功を収めている1つの理由は、Amazonが自社のサイトで179ドルのスマートスピーカーであるAmazon Echoを大々的に宣伝できることだ。Amazonのホームページを訪れたユーザーは、既にお金を使いたくてたまらない気持ちになっている。
「ユーザーはAmazonにアクセスするとき、既に財布を取り出している」とBlau氏は言う。デバイスの販売に関して言えば、Googleには、Amazonユーザーのようにいやでも購入するようなユーザーはいない。
後編に続く。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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