無線インターネットで新たな競争を狙うStarry--Aereo創設者の次なる挑戦 - (page 2)

Ben Fox Rubin (CNET News) 翻訳校正: 編集部2016年02月04日 07時30分

 Starryが提供する最初の製品は、「Starry Station」の予定。これは350ドルのWi-Fiハブで、インターネット接続および速度用モニタ、ペアレンタルコントロール、接続デバイスのサポート機能を含むタッチスクリーンを搭載している。利用可能なインターネットサービスすべてに対応し、スマートフォンなどのデバイスへのWi-Fi接続を提供するとともに、今後登場するコネクテッドホーム用デバイスをサポートする予定だ。

 Starry Stationの事前予約はStarry.comで受け付けており、2月上旬にはAmazon Launchpadでも提供可能となる予定だ。同ルータの出荷は3月に予定されている。

 Starry Internetは、「Starry Beam」と呼ばれるハブを使用する。同ハブは、建物の屋上などの場所に設置され、39GHzの高周波信号を送信する(VerizonやAT&Tは700MHzの周波数帯を使用)。Starryが使用に際して試験用の免許を取得している同周波数帯は高速だが、伝送距離が短い。そのため、ハブを1マイル(約1.6km)ごとに設置しなければならない。現在、試験用のBeamユニットのみが使用されている。

 Starryが提供するサービスの会員は、「Starry Point」と呼ばれるデバイスを使う必要がある。このデバイスは、Beamの信号を受信し、家庭内に行き渡るようにする。しかし、39GHzという周波数は壁や窓を通り抜けづらいため、Pointは、閉じた窓越しに一部が戸外に出て、残りが室内に、という構造になっている。Point(価格は不明)は、Stationにインターネット信号を提供する。

 4番目のデバイスは「Starry Wing」で、室内で信号を増幅する。同デバイスは、今春遅くから初夏のいずれかの時期に発売が開始される予定だ。価格はまだ明らかになっていない。

 消費者がさらなるブロードバンドオプションに興味を持つなか、Starryにとって具体化すべき課題は多い。特に、同社インターネットサービスが実際に機能するかということだとCurrent AnalysisのリサーチディレクターAvi Greengart氏は述べる。

 「基本的な質問が非常に多くある」とGreengart氏は述べる。「たとえば、本当に動作するのか、構築費用はいくらか、消費者がサービスに支払う料金はいくらか、などだ」(Greengart氏)

 27日以前ではStarryに関する情報はわずかしなかった。Starryは「Project Decibel」という名称で運営され、Kanojia氏は、この新ビジネスに秘密裏で取り組んでいた。だが、いくつかのヒントがWi-Fiとブロードバンドに関する可能性を示唆していた。

 Starryは、Kanojia氏にとって技術およびメディア業界でスポットライトを浴びる新たな機会となる。同氏の以前の会社Aereoは、無料の放送電波を小さなアンテナで捉えて、放送内容をストリーミングビデオとして販売していた。放送事業者は、会費の一部を売り上げとして得ることができなかった。

 Aereoは、利用者がわずか10万人しかいなかったが、メディア業界で非難の的となり、放送事業者からは信号を略奪していると訴えられた。同新興企業は2014年、米最高裁の判断を仰ぐこととなったが、同裁判所はAereoのサービスを違法と見なすという放送事業者よりの判決を下した(米CNETの親会社であるCBSも原告の1社)。数カ月後、Aereoは倒産した。

 Starryは、出資企業にFirstMark Capital、Tiger Global、IAC、KKR、HLVP、Quantum Strategic Partnersが含まれていることを述べているが、出資額を明かすことは避けている。IACはAereoの主要な出資元でもあった。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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