最後に北川氏は、百貨店のように「なんでもできてしまう」大企業では、「なんかできそうだ、とぼやっとしたままで進めてしまう危険性」があることを指摘する。
「店頭における購買行動のフックは実物を見ての比較検討であって、映像などのテクノロジを駆使した説明ではなかったりする」という本質が現場にはある。「目の前のぼやっとしたものじゃなく、わくわくする未来をどう紐解いていくか」が重要だとした。
伊藤氏は、新規事業を成功に導くヒントとして、大企業側に「事業家になる」という感覚と意気込みが必要だと説く。自分たちで事業を作るんだという真剣な思いと、徹底的に練った戦略を用意したうえで、「最後の1ピースを埋めるのがあなたたち(ベンチャー)だ、くらいにならないとうまくいかないのではないか」と語った。
佐藤氏は、大企業側にも「ベンチャーに負けてなるか、という熱い気持ちでやっている人もいる」と話し、スタートアップやベンチャーに対しては、競争しつつ、一緒に成長していくイコールパートナーとして新しいビジネスを作っていきたいとした。
剣持氏は、失敗には「技術など、後に残るものがある失敗と、何も残らない失敗の2種類がある」とし、「何か残るような失敗になるよう心がけていかなければ」と自分に言い聞かせるように話す。オープンイノベーションについては、「どの会社でも昔からずっとやってきたこと」であり、「それを新たに意識付けするのは良いが、それ自体が目的になるのは良くない」と述べ、セミナーを締めくくった。
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