遠隔操作の必要性をあまり感じない、その他の機能にもあまり魅力を感じない人もいるかもしれない。実際に導入した当初、最初は面白がってさまざまな機能を使ってみたが、長くは続かない。
機能をひととおり使い倒した後、やっぱりあってよかったと思うのは外部からの状態確認だ。エアコンのつけっぱなしは大きな問題で、状態が確認できれば安心だ。また、冬場ならば、エアコンを使っていなくても温度や湿度が確認できれば、ストーブや加湿器などの消し忘れを間接的に確認することもできるだろう。
特に心配性の人は、スマートフォンのリモコンを利用することで、安心して外出ができるようになるかもしれない。
また、タブレットの大画面を活かし、操作性を向上させた高機能リモコンとしても期待できる。ダイキンでは、通常の遠隔操作アプリとは別に、タブレット専用に同じ家庭内LAN内の利用に限って操作できるアプリも提供している。リモコンよりも大きな画面で操作でき、その他のダイキンのネットワーク対応製品と同時に操作できる。追加のリモコンとして便利に活用できそうだ。
対応エアコンは増えているが、そのままでは通信できず、必ず別売の通信アダプタが必要になる。現在は通信アダプタまで標準搭載という機種はないため、別途1万円から2万円程度のアダプタを購入する必要がある。6畳用の2.2kWタイプのエアコンが最安値で4万5000円前後から購入できる今、やや割高感はあるが、便利にするためのオプション料と考えるしかない。
また、パナソニック、東芝を除く各メーカーは2.4GHz帯のごく一般的な無線LANに接続するため、家にインターネットに接続された無線LANアクセスポイントが必要になる。無線LANアクセスポイントにはプッシュボタンによるWPSに対応していることが条件。エアコン側には無線LANの暗号キーを入力する術がなく、一部メーカーを除いてWPSによる自動接続が条件となっているからだ。
一方、パナソニック、東芝は各エアコンには専用の通信アダプタを装備するが、接続先は専用の無線アクセスポイントを介してネットと接続する方式となる。東芝はHEMS全体のアクセスポイントとなるため非常に高価。パナソニックは通信アダプタ1台とアクセスポイントとなる「無線ゲートウェイ」の合計で1万5000円程度と、他社のアダプタとあまり変わらない金額となり、無線ゲートウェイは1台で良いため、パナソニック製のエアコンが増えると割安になっていく仕組みだ。
また、全機種対応のダイキンは、最下位シリーズはさらに別のアダプタも必要になるため、合計で2万円程度の追加が必要になることは注意が必要だ。
通信アダプタの設置はエアコン本体に取り付ける工事が必要。内部制御基板に直接コネクターを差し込む構造になっているため、基本的には工事店の仕事となる。エアコンを設置工事後の装着でも問題がないよう、あまり分解せずに装着できるようにはなっているが、エアコンを新たに購入するならば、同時装着を強くおすすめしておきたい。
なお、アダプタだけ購入してDIYで作業するのも無理ではない。カバーを開けてコネクタの装着とケーブルの引き回しをする程度の作業となるが、メーカーによっては機種毎に異なるカバーの開け方の説明がないなど、少々コツを要する作業となる。
スマートフォンのリモコン対応機種が拡大したこともあり、価格比較サイトの「価格.com」のエアコンの検索項目では「機能」の選択に「スマートフォン対応」も設けられており、比較的簡単に選べる。
ただし、メーカーや機種により、リモコンでできることは異なる。必ず必要となる通信アダプタの価格や入手、取付についてもエアコンと合わせて検討する必要がある。後編では、3社のスマートフォンリモコンを比較してみる。
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