この段階においてIT部門には、データ連携における適切な支援に加えて、新しい業務プロセスの設計によるアウトプットの評価という役割が期待されるでしょう。一般的にマーケティング部門には業務を紙に落とすようなことはあまり経験がありません。設計された業務の良し悪しはともかく、まとめられた内容の表現について、システムの利用を伴う業務整理の経験を活かして評価することができるはずです。
この後、システムの活用フェーズへと入っていくことになります。前述のような、使いながら必要な更新をしていくマーケティングに求められるスタイルの中において、当初はスコープから外れていた社内の各種データについて、連携のニーズが追加されるようなシーンは今後ますます増えていくことが想定されます。
データマネジメントプラットフォーム(DMP)などと呼ばれる顧客を中心とした各種データを統合的に管理分析してマーケティングや広告の施策を最適化していくシステムも登場してきており、これらの機能も、マーケティングオートメーションに統合/連携してくる流れがあるからです。すでに一部の企業では取り組みがはじまっています。そのようなケースでは、社内データの管理者であるIT部門が果たす役割は非常に大きくなります。
今回は、マーケティングオートメーションの導入の過程を追いながらIT部門に求められる役割を整理してみました。次回から数回にわたって、ベンダー側が、今のマーケティング組織をどうみているのか、このIT領域はどうなっていくのか、また、そこで求められる人物像などについて、代表的なマーケティングオートメーションベンダーを招いた座談会の内容をお届けします。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
企業や自治体、教育機関で再び注目を集める
身近なメタバース活用を実現する
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
OMO戦略や小売DXの実現へ
顧客満足度を高めるデータ活用5つの打ち手
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス