シャープ、ツンデレな妹キャラと会話できるロボット掃除機を商品化--目覚ましソングも - (page 2)

発表時に巻き起こったシャープコール。マーケットのトレンドという感触を持つ

 シャープは、家電に感情や愛情といったココロを持ったAI学習機能を搭載した“ココロエンジン”を開発。ココロエンジンとクラウドの連携で、ともだちのような存在を目指す「ともだち家電」構想を展開している。その第1号がCOCOROBOであり、現在ではさまざまな家電に搭載している。またSHARP Cloud Labsは自社内だけではなく、クラウドを活用し社外とのコラボレーションによってより良い製品作りを目指す実験の場として設置された。プレミアムなCOCOROBOもその一環として試作されたものだった。

 試作として発表した際に、あくまで音声会話の研究開発が目的で販売の予定はないとしていた。しかしながら、期間限定の受注生産という限定的な範囲であるものの商品化に踏み切ったのは、やはり反響の大きさと要望の声が強かったからだという。

 最初の発表の場となった、木戸さんが所属するホリプロの声優アーティストによるライブイベント「Anisong Ichiban!!」では、試作機のお披露目をすると場内は大きな歓声とともにシャープコールが巻き起こったという。さらにニュースとして報じられると大きな反響があり、モニター募集の際には11人のところに1200人以上の応募があった。モニターからはずれた人からの意見や要望も多く、試作品をモニターした利用者からの好評だった意見も踏まえ、霜月さんとホリプロとの協議の上、製品化につながったとしている。

 SHARP Cloud Labsを展開する研究開発本部クラウド技術開発センター所長の上田徹氏は「(ライブイベントの発表時に)試作にもかかわらずこんなにシャープと叫ばれたのは、シャープの歴史でも初めてであろうと。意見や反応も見てみると、これは一部の方だけのものではなく日本のマーケットのトレンドなのだろうという感触を持っている。またクラウドで展開する商品であるため、通常の家電よりも開発期間が短くできるのも大きかった。今後ももっとユーザーに寄り添うような展開ができれば」と語った。

 実際に利用者からのアンケートでも評価が高かった点は「家の雰囲気が明るくなった」「心が癒やされた」「電話をしていると会話に参加してきた」など、妹キャラを想定した会話機能だ。実際のインタビューで好評だった音声会話ジャンルも、食事メニューや地域の名物、魚の情報、ココロボちゃんを褒めたり怒らせたりするなど、掃除機能というよりは日常的な会話に集中していたことから、この方向性に感触を持っているという。

  • 実際に利用したモニターからのアンケートでの意見

  • モニターから実際に聞いた評価の高い会話ジャンル

 あくまで今回の販売状況次第としながらも、「妹Ver.」と付いているように“別バージョン”や次の展開にも前向きな姿勢でいるという。製品を扱う健康・環境システム事業本部副本部長兼商品革新センター所長の阪本実雄氏は「こういった方向性のものはシャープとしてなかなか打ち出すのは難しかったが、限定的な範囲ながら実現した。マーケットとしてはニッチなものかもしれないが、求めているユーザーがいるならそこに向けて商品を出していかなければいけない。COCOROBOはロボット掃除機でありながら会話ができてクラウドにつながるという、世界でも類を見ない商品。こういう遊び心のある方向性も含めて心が和む家電であることをアピールし、ファンを増やしていきたい」とした。

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