2014年の展望

2014年は「地固めの年」--コロプラ馬場社長が振り返る激動の1年 - (page 2)

 これは“セカンドパーティー”という位置づけです。私たちがゲームを作ったり運用をしたりするわけではなく、企画を監修したり、マーケティングをお手伝いするということです。我々は日本においては一定数のユーザーを抱えていますし、マーケティングのレベルも上がってきています。コロプラのそういうところを使いたいよね、という会社がもしあればご一緒して、我々の名前でアプリを出させていただくというのがこの取り組みですね。その取り組みの一つとして先日、北米のモバイルゲーム開発会社であるGlu Mobileと業務提携に関する基本合意を締結しました。ただ、ユーザーからは分かりやすいように、コロプラの内製ゲームとブランドは分けてやっていこうと思っています。

――新ブランドのパートナーは国内と海外のどちらがメインになるのでしょう。

 海外の会社が多いかなと思っています。彼らからすると日本は外国なのでマーケティングの仕方や雰囲気が分かりません。なので、国内企業よりも頼られやすいですよね。逆に我々のゲームも海外に展開していきたいと思っています。

――これまではゲーム事業について聞いてきましたが、創業時から注力してきた位置ゲーやO2Oなどリアルの領域はこの先どうするのでしょう。

 O2Oやリアルイベントはある意味次の時代の話かなと思っています。いまはスマートフォンの普及期で、多くの人に好まれる一般的なゲームが望まれているわけですが、その後は多様性が出てくると思います。それが位置ゲーであったりリアルイベントであったりするので、その時のために引き続き事業を継続していくとのいうのがいまの状況ですね。

――KDDIと共同で、位置情報ビッグデータを活用した観光動態調査レポートを地方自治体などに提供する取り組みも進めていますが、どの程度ビジネスの可能性があると考えていますか。

 まだはじめたばかりですので、今後に期待していただければと思います。インターネットリサーチの市場は500億円ほどあるそうなのですが、そのインターネットリサーチに位置情報解析データをプラスできたとしたら、データとしては強いですよね。もちろんセキュリティに十分配慮したうえでこういった位置情報を有効活用していき、社会に価値を還元していきたいと思っています。

――位置情報によって具体的にどのような価値が生まれるのでしょうか。

 ある人が、どこにどれくらいの期間いるのかということは、マーケティング上、重要な情報になります。たとえば観光地ですと、A地点、B地点、C地点があったら、関東の人はA地点に行って、関西の人はB地点に行っています。ただ、どちらもそこですぐに帰ってしまっていますと。であれば、C地点経由ですべて回れるように、たとえば「バスの路線を引いたらどうですか」とコンサルティングをしたりできるわけですね。

 いままでなかなか可視化されていなかった領域をこのように客観的なデータとして、自治体の方に提供すると非常に喜んでいただけます。また、費用対効果を見ながら、予算がいかに使われているのかを正しく説明できるのも、やはりデータなんですね。「こことここをつなぐだけで年間これぐらいの送客が実現できます。だからここまでは予算を作ってバスの路線を整備しましょう」と明確に言えると。そうすると地方経済も活発になって良い事例も増えますし、旅行に行った人にとっても、ただ目的地へ行って帰るよりは、いろいろと見て回ることができるので、Win-Winの関係になれるのかなと思います。

――定款の一部変更についても教えて下さい。事業目的に「有価証券投資」「チケット販売」を追加した狙いは。

 将来起こりえるビジネスを先回りして考えて、定款に追加したということです。定時株主総会が12月ですので、もし可能性があればこのタイミングで追加しておくべきなのではないかという考えがあり、検討した上でそうさせていただきました。たとえばチケット販売は、O2Oビジネスと非常に親和性が高いと思いますし、投資に関しても上場企業としてM&Aのみならず事業支援的な少額出資なども考えていかないといけないと思っています。やる、やらないはまだ全然決まっていませんが、可能性があるという段階で出させていただいたのが我々の考え方になります。

――最後に、コロプラにとって2013年はどのような年でしたか。また2014年の意気込みも聞かせて下さい。

 コロプラにとって2013年は飛躍の年だったと思っています。売上、利益ともに大きく伸びましたし、コロプラというブランドもようやく一般の方にも認知されだしたタイミングで5周年を迎えることができました。また業界全体で見ると、好調だったところの調子が悪くなったり、急に強くなるところが出てきたり、圧倒的な強者がいたりする、非常に混沌とした年だったのかなと思います。2013年に大きく飛躍できたことを受けて、2014年はそれを地固めする年だと考えています。2013年に成功したモデルをしっかり強化させて次の1年を走りきるのが、いまの会社の1つのステージだと思います。そこをやりきれれば、会社としてまた大きく成長できると思っています。

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