審査の結果、見事優勝に輝いたのは共感ロボットを手がけたチームぷーさんだった。準優勝はチームEC、イベントに協賛したリクルートが選んだMashupAward 9賞はチームTEAM KINTOONとなった。優勝したチームぷーさんは、ハッカソン参加者が自分たち以外のチームに対して投票して決まった「オーディエンス賞」にも選ばれた。
審査委員長を務めたイプロス代表取締役社長の岡田登志夫氏は、「どうしても開発を進めると当初のコンセプトがぶれることがある。だがそれがぶれず、シンプルにプロダクトを作り上げたことを評価した」とチームぷーさんに対して語った。
筆者がイベントを取材したのは7月13日だけだったが、同日はすでに午前中から各チームがプロダクトの完成に向けた開発に没頭している、という様子だった。そんな中で複数チームの参加者に話を聞いたが、7月6日のアイデアソン以降、1週間の間集まれるメンバーだけでも集まり、日々コーディングやプロダクトの製作を進めてきたのだという。
ハッカソンの参加メンバーは、学生からフリーランスや個人事業主のエンジニアから、電機メーカーの社員まで多様。社会人に関しては「1週間ほとんど寝ていない」という参加者も少なくなかったようだ。
「実は第1回のものアプリハッカソンの優勝チームが、共同創業ししている会社の相方。自分のデザイン面で何か挑戦できないかと思った」--優勝したチームぷーさんでプレゼンをした有限会社リプル・エフェクトの山田敬宏氏は参加のきっかけを語る。まだ出会って1週間。電話番号も知らず、Facebookのアカウントしか知らないメンバーたちとも「今後何かできればいいと思っている」(山田氏)と語る。
また準優勝となったチームECのプレゼンを担当した中山智裕氏は、大阪にある電機メーカーの社員。「第1回は運営側として参加したが、絶対にハッカソンに参加する方が面白いと思っていた。会社では営業職でかつ2年目なのでものづくりの現場にはまだあまり触れていないが、メーカーに入ったのもものづくりが好きだったからこそ。いい経験になった」と語った。
メディアが東京に集中していることもあり、地方のITやものづくりのコミュニティについて情報が全国に発信されることはまだ多くない。また、そこに集う人々は自社のサービスやプロダクトでマネタイズできているケースはまだまだ少なく、受託で稼ぎつつ、もしくは本業とはまったく別のプロジェクトとして挑戦しているというケースが多いようだ。
だが大阪でも、官民が連携して場所を作り、人が集い、そこからイノベーションを起こすという意志や仕組み作りが盛り上がりつつあることを感じた。大阪市の職員や市から受託して大阪イノベーションハブを運営するinnovate! osakaのメンバーからも、「ただ箱を作って、今まで失敗してきた公共事業と同じようにするわけにはいかない。もっと発信をしていきたい」という声を聞いた。
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