今回の試聴はイヤーキャップのMサイズで聴いていくが、ComplyフォームのMサイズで聴いた場合の印象も付け加えていきたい。プレーヤーはiPod nanoを使用。イコライザはフラットのまま、iTunesで楽曲購入する際のデフォルトであるビットレート128kbpsにて、いろいろなジャンルの音楽を聴いてみる。
ロックから、Eric Clapton「Change the World」。アコーステックギターの鳴りがキレイに重なっていく音は清々しい。ボーカルも優しく聴こえて全体的に晴れやかな印象だ。メリハリは強く出ない代わりに、聴き疲れはしない。大人のロックサウンドを感じさせてくれる。Complyフォームでは密閉度が高まることで、抑揚がよりはっきりする。
女性ボーカルから、Norah Jones「Don't Know Why」。全体的な音のぬくもりがありながら、ギターやピアノはクリアに鳴るなど、極めてナチュラルなサウンドが心地いい。どちらかというとステージの奥行き感よりも、目の前で弾き語りを聴いているようなイメージ。Complyフォームでは、低音が強くなることでより温かみがある音になる。
テクノから、Juno Reactor「GUARDIAN ANGEL」。エネルギッシュさや空間の広がりを伝えるというよりも、出音を正確無比にこなしていくストイックな印象。全体的には少しおとなし目に感じられるものの、原音に近いとも言えるフラットなサウンド。Complyフォームでは力強さが増し、ライブ感が出る印象になるため気持ちよく聴ける。
HIPHOPから、Eminem Feat.Dido「Stan」。背景で流れる細やかなSE音まで、きちんと拾うレンジの広さを感じさせてくれる。ボーカルが前面に出すぎないためエモーショナルにはならないが、さまざまな角度から入ってくる音をしっかり鳴らすため臨場感がある。Complyフォームでは、ボーカルがもう少し近づき、主張が強くなるイメージになる。
いずれの音楽ジャンルも、繊細な音まできっちりフォローするナチュラルサウンドを体感できた。音に無理がないため、聴き疲れしないのも大きなポイント。セミオープンバックはやはり音抜けが良いため、心地よい開放感を味わえる。強いて挙げるとしたら低音がもう少し欲しいところだが、密閉型ではないことを考えると充分な鳴り。楽曲にもよるが、低音重視派の人にはComplyフォームで聴くことをおすすめしたい。S2は、価格を考えると、かなり完成度の高い製品と言えるだろう。周りへの音漏れを気にしない再生環境が必要となるが、フィリップスの本気の音が聴ける逸品である。
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