予約分即日完売のコンデジ「PowerShot N」--SNS連携だけが成功の理由じゃない - (page 2)

デザイン性重視の展示提案

 1月に正式発表されたPowerShot Nは、4月25日から出荷を開始しているが、そのすべての販売を同社ウェブサイトにおける直販に限定した。

 「シャッターボタンを持たないなど、すべてが新しいことに挑戦した製品。新しいコンセプトや商品に関するコミュニーケーションをお客様とダイレクトに実施することを目的に、当社のウェブサイトを通じて、細かい内容を告知し、その上で直接販売を行うという手法を採用した」と、キヤノンMJ カメラ商品企画 第二部 商品企画 第一課 課長の岩田裕二氏は語る。

 3月12日に第1回目の予約販売が行われたが、これがわずか4時間で完売。通常モデルと同時に売り出した500セット限定のビンテージブラウンもこの時間内で完売となってしまった。さらに2回目となる4月12日には発売から23分間で完売という人気ぶり。さらに、3回目となる4月25日も14時間で完売。用意した予約数量は、すべて即日完売という状況となっているのだ。

 同社では具体的な販売台数については明らかにしていないが、5月15日の予約販売数は「4月の予約販売よりは多く用意できそうだ」(岩田氏)としており、そろそろ安定して購入できるフェーズが近づいているといえそうだ。

 だが、PowerShot Nを直接手に触ることができる場は依然として限定されている。銀座、名古屋、梅田の3カ所のキヤノンデジタルハウスと、品川にあるキヤノンMJ本社のキヤノンプラザSの合計4カ所、そして全国11拠点のサービスセンターでしか、同機に触ることができない。


PowerShot Nで撮影した写真だけの小冊子

 4月17日~5月1日の期間限定ではあったが、セレクトシッョプのBEAMSと連携し、BEAMSの全国11店舗でPowerShot Nを展示した。しかし、ここでも展示スペースには本体だけを展示し、スペックなどはまったく表示ないという趣向を凝らし、さらに用意した配布用の冊子にも製品説明は一切書かれず、PowerShot Nで撮影した写真だけを掲載するものにした。展示スペースで示したのは、スペシャルサイトへ誘導するための文言だけだった。

 ここでの提案方法は、デジカメというよりも、ひとつのファッションアイテムとしての取り扱いだった。つまり、デジカメの機能性よりも、デザイン性を重視した展示提案だったのだ。

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