DelBene氏:われわれは、Officeのサブスクリプション版を発売するだけでなく、従来の永続ライセンス版の製品も用意しています。人々に選択肢を与えたいと考えています。サブスクリプションサービスを推し進めてはいますが、あらゆる人を(サブスクリプションサービスに)取り込むことがわれわれのビジネスにとってどうしても必要というわけではありません。
人々は先ほど述べたような理由でサブスクリプションサービスに移行していくだろう、というのがわれわれの実際の考えです。しかし何らかの方法で選択肢を提供したいと思っています。ある意味では、それはこの領域へのわれわれの取り組み方に特有なものです。サブスクリプションが全てではありません。選択の問題でもあるのです。
--価格はどのようにして決めたのでしょうか。この製品を1年半にわたって利用すれば、Officeの従来バージョンに支払うのとほぼ同じ金額になりますが。
DelBene氏:われわれは当然ながら、フォーカスグループを実施し、多くのユーザーの話も聞いているため、そうしたところからも部分的に情報を得ています。またほかの製品の価格設定や、それとの関連についても参考にする部分があります。再販業者とも話をして、彼らが適切と考える小売価格を把握しました。結果的には、ユーザーに対して非常に優れた価値提案を行っていると考えています。
もう1つ考えるべきことは、(新しいOfficeサブスクリプションサービスを)1年半使うと同じ価格になるというのは、Officeを1台のデバイスでしか使っていない場合のことです。3台、4台、あるいは5台のマシンで使っている場合の価値を考えてみてください。そのユーザーにとって、全体としてはかなりの節約になることは明らかです。
--ITのコンシューマライゼーションと、個人所有デバイスの職場への持ち込みによって、IT担当部署が調整や対応を迫られていることについては、この数年の間に数多くの議論が行われてきました。作業者が自分のアプリケーションを職場に持ち込むことも増えてきています。DropboxやYouSendItなどのアプリケーションでそうした状況が見られます。そうする人々は基本的に、自分の仕事をより効率的に行うために、IT担当部署を迂回しています。Microsoftは人々に、Officeを自宅と職場の両方で使わせようとしていますが、こうした現象はOfficeにとってプラスとなるでしょうか、それともマイナスとなるでしょうか。
DelBene氏:プラスになると思います。最悪の場合でも、マイナスになることはないでしょう。われわれは、クラウドストレージのSkyDriveをOfficeと密接に統合させることに大きな投資をしています。そのため、例えば文書を開く際には、SkyDriveから直接開き、SkyDriveに直接保存することができます。職場で作業を中止したときに、文書のどの部分で作業していたかといったことは全て、自宅で文書を開いたときに引き継がれるようになっています。これはユーザーにとって非常に大きなメリットになるでしょう。
もう1つお話ししたいのは、誰かが別のバックエンドストレージ(サービス)を選んだ場合にも、Officeは問題なく機能するということです。もっと深い連携も可能ですが、(競合サービスである)Dropboxストレージなどとの連携を妨げるつもりはありません。われわれはSkyDriveストレージにより熱心に取り組んでいるので、機能が追加されるというだけです。
しかし、ちょっと下がって考えてみたいと思います。IT担当部署にとって、人々が自分のデバイスやストレージを職場に持ち込むような世界で、それをどのように管理するのかを考えることは難しい問題です。そのため、企業がOffice 365に登録するか、「SharePoint」をオンプレミスで導入する場合には、われわれはその企業に「SkyDrive Pro」を提供して、それがデスクトップと直接連携するようにしています。またわれわれは、企業にあらゆる管理上の柔軟性を与え、誰が何を保存し、何にアクセスしているのかを見られるようにします。デスクトップとの連携、サービスとの連携と同時に、われわれのオンプレミス製品との連携も考えています。
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