Krzyzak氏によると、アプリ開発にHTML5コードを用いることで、複数のプログラミング言語とツールを用いてアプリを開発する必要がなくなるため、ネイティブアプリの開発に比べるとコストを低減できるというメリットがあるだけでなく、開発マンパワーの分断化を避けられるというメリットも生み出されるという。
Sabre Travel Studiosの責任者であり、同社の製品インキュベーターでもあるSarah Kennedy氏は、「複数のグループとしてではなく、コア部門として業務を遂行していくべきである」と述べている。
「ユーザーに何らかのエクスペリエンスを送り届けるということに頭脳を集中させるために、単一の目的に向けて最高の英知を結集するのは素晴らしいと言える」(Kennedy氏)
Krzyzak氏は、現在のHTML5ベースのアプリに弱点があることを認めている。ネイティブアプリと比べると実行速度が遅く、モバイル機器に新たなハードウェアが搭載されても、しばらく経たないとその新機能を利用できないのである。しかし、同氏はこういった問題もやがて解消されると確信している。
「HTML5には速度面での懸念があるとしばしば言われるものの、実際のところモバイル機器のプロセッサは高速化の一途をたどっており、搭載メモリも大容量化してきている。これは15年前にJava対C++という図式で語られていた問題とまったく同じである。当時の人々は速度とメモリ消費量に対する懸念を抱いていた」(Krzyzak氏)
同氏は「今ではJavaが遅いという人などおらず、皆がJavaを使用してシステム開発を行っている」と述べ、HTML5も同じようになると予想している。
またKrzyzak氏は、新たなAPIの登場やハードウェアレベルでのサポートによって、HTML5のパフォーマンスと機能はネイティブアプリのそれに近づいていくだろうと予想している。
「HTML5のパフォーマンスを改善するためのアクセラレータを組み込んだ新チップの投入計画が数多くあり、これによって状況は変わっていくだろう。しかし現在は、まだそこまでには至っていない」(Krzyzak氏)
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