クリエイターの才覚

サイバーエージェントの“成長できる”環境作り--独自の施策でクリエイター育成 - (page 2)

モデルとなる先輩、切磋琢磨できる同僚の存在

 岸氏は前職でデコメサイトの開発・運用に携わっていた。しかし、「これから3~5年後を見据えて、スマホアプリを開発できるようになるべきだろう」と一念発起。クリエイティブアカデミーに参加した。


アメーバ事業本部 ソーシャルゲームディビジョン ディベロップメントグループの岸氏

 現在は、スマートフォン向けのソーシャルカードゲーム「天空のクリスタリア」の開発を担当している。制作チームは22名で構成されている。岸氏は元々、サイバーエージェントに入りたいという意思を持っていたわけではなかった。しかし、先述のクリエイティブアカデミーを通じて、同社の“クリエイターを育てていこう”という、自分の成長意欲に応えてくれる期待感を感じたという。その印象は入社した今でも変わらないそうだ。

 「チームの中に目指している先輩社員がいるんです」――岸氏は元SIerで中途入社した先輩クリエイターについて熱く語る。

 「ゲーム開発は、ユーザーの動きに合わせて日々チューニングが必要。なので、急遽不測の事態が発生することもしばしば。その方は、サービス内容や技術の理解が深いのはもちろん、それに対する解決方法の提案と、それに向けてチームを巻き込むのがすごくうまいんです」(岸氏)

 ロールモデルとなるような人が現場にいることは、ポテンシャル採用されたクリエイターにとって重要なことだろう。

 また岸氏は、新たなスキルを身につけ成長していくプロセスにおいて「あきらめないこと、できないなりにできることをやっていくこと」が大切だと語る。「独学の場合、きちんと設定された目標がないと意義を見失い、努力をやめてしまう。そんな時に同じような仲間がいて、ほどよいプレッシャーを感じられるのは支えになります」(岸氏)。

  • 大八木氏(左)と岸氏(右)

 同じチームのメーリングリストで、開発に関する相談をして助け合ったり、逆に勉強会の告知や自分が知らない知識に関する投稿があると焦ったりもする。そうやって“もっと上を目指していきたい”というモチベーションが維持されるのかもしれない。

 岸氏は「これまでは浅く広いスキルを持ったクリエイターだったが、最新の技術を習得しつつ、問題解決を提案できる、一人前の開発者になりたい」という目標を持って仕事をしている。

 最後に2人からクリエイターへのメッセージをもらった。「これからはスマートフォン向けのコンテンツやサービスで、本当にユーザーにとって良いものを生み出していけるかが生命線になっていきます。そこに情熱を注げるということと、1人で得られる成果だけでなく、チームでより大きな成果を得ることに対して喜びを感じれるようなクリエイターと出会いたいです」(大八木氏)。「自分自身がサービスを作っていくんだという意識を持っているクリエイターと仕事をしたいです」(岸氏)。

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