同社は既に、古い航空機にデジタル・センター・ディスプレイ・ユニットを取り付け、旧来のアナログ計器の代わりとしてきた。ディスプレイ式単眼鏡を備えたヘルメットは、センターディスプレイユニットに接続されており、パイロットはディスプレイユニットからのあらゆる情報を、ディスプレイに目を落とさずに見ることができる。
新しいポータブルコンピュータデバイスとディスプレイによって、パイロットにはさらなる柔軟性が与えられる。Lovell氏は、ポータブルコンピュータデバイスについて、厚さは4分の1インチ(約6mm)で、旧モデルの「BlackBerry」携帯電話と同じくらいのサイズだと説明している。一方、ディスプレイモジュールは「Android」スマートフォンほどの大きさのスクリーンを備えているという。
驚いたことに、このポータブルデバイスは「Windows 7」で動いている。これは軍用テクノロジでは珍しい。Windowsは、飛行計器や兵器制御のようなリアルタイム機能には使用できないものの、地図表示や無線制御のような状況認識機能には使用できるとLovell氏は説明する。
ヘルメットとポータブルデバイスはいずれも、セキュリティ面を考慮して有線接続で情報とつながっているため、今のところはデータを無線で受け取ることはできない。Raytheonは低出力の周波数オプションの開発に取り組んでおり、これは米陸軍にとって使いやすいものになるとLovell氏は述べている。
「この点は、陸軍がなかなか変えようとしないところだ」(Lovell氏)
最終的に軍はAviation Warriorのコンセプトを進めていき、地上の兵士向けのAndroidネットワークのような、より進歩したシステムが登場するだろうとLovell氏は言う。
現段階では、このシステムのヘルメットは依然としてコックピットとつながっていて、ポータブルデバイスのように携帯可能ではないが、同社はヘルメットも可動式にする取り組みも行っているとLovell氏は述べた。ポータブルデバイスをコックピットから持ち出すと(簡単に取り外せるように、簡易着脱式のケーブルが使われる)、パイロットは地図や位置の情報を取り出したり、メッセージや最新情報を無線経由で受信したりできる。
いくつかの点で制約のあるテクノロジではあるが、とても素晴らしい。加えて、Aviation Warriorのおかげで、Windows 7が若者の間でもてはやされるようになるかもしれない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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