「甥は、テレビの前に来ると画面をスワイプしようとする。テレビとインタラクションできると思っているからだ。つまり、デジタルセルフは、誰でもアクションできる現実の要素になってきているということだ」
そのうえで、Rencher氏は、デジタルマーケターが考えなければならない要素は大きく、データ、コンテンツ、オプティマイゼーション(最適化)の3つがあると指摘した。
データは、ユーザーが入力する情報などすべての土台となるものだ。コンテンツはそれらデータを組み合わせて生き生きとしたデジタル体験を作り出すもの。そして、オプティマイゼーションはコンテンツの提供方法を最適なものにすることだ。
「データはデジタルマーケティングビジネスの核と言える。今後、データをどう使うかはますます重要になる。このデータを右腕とするなら、左腕となるのがコンテンツだ。コンテンツは、データに表現力をもたせたもの。コンテンツによって人々はアクションをとることができるようになる。そして、オプティマイゼーションによって、ユニークなコンテンツを最適なかたちでコンシューマに届けることができるようになる」
Rencher氏によると、オプティマイゼーションが重要なのは、パーソナライズ化された形でコンテンツを提供することで、そのコンテンツのROIが計測できるようにするためだという。このように、データ、コンテンツ、オプティマイゼーションの組み合わせは、マーケターにとっても、広告主にとっても、パブリッシャーにとっても重要な要素になっている。また、同社が提供しているDigital Marketing Suiteはそれにこたえるソリューションだとする。
具体的なソリューションの展開では、「パーソナライズ化された体験」「デジタル広告の管理」「パブリッシング(配信)の管理」「ソーシャルマーケティングの解析」の4つのエリアがあると説明。Digital Marketing Suiteは、先に触れたSiteCatalyst、Adobe Socialのほかにも、マルチチャネルキャンペーンを行う「Multi-Channel Advertising Technology」や、解析ツールの「Adobe Insight」「Social Analytics」などの製品で構成されているが、それぞれの製品が各エリアで適切に利用できるよう統合されていることが同スイートの大きな特徴だとアピールした。
最後にRencher氏は、「デジタルマーケターは顧客のデジタルセルフを考えていく必要がある。顧客が何に関心を示すのか、何を共有するのか、何を買うのか。それらデジタルセルフは、データ、コンテンツ、オプティマイゼーションの3つを組み合わせることで、具体的なデジタルマーケティングとして実行できるようになる」と重ねて強調し、講演を締めくくった。
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