スマホ普及で通信方式移行は過渡期へ--ユーザーに求められる判断力 - (page 2)

ユーザーは多面的な視点からの選択が必要

 通信方式が移行する過渡期にある今、スマートフォンを利用しているユーザーとしては、キャリア各社の動向を注視し、スマートフォンとどの周辺端末を組み合わせて通信品質を最適化すべきか、判断していかなければならない。

 MMD研究所が実施した「モバイルインターネットサービス実態調査」では、各社が提供しているWi-Fiルータ端末(ドコモ「Xi」対応の「L-09C」、ソフトバンク「ULTRA WiFi 4G」対応の「SoftBank 101SI」、イー・アクセス「EMOBILE LTE」対応の「Pocket WiFi LTE(GL01P)」、UQコミュニケーションズ「UQ WiMAX」対応の「AtermWM3600R」)のサービススペックが比較されている。

 調査によると、実効速度についてはULTRA Wi-Fi 4GとUQ WiMAXの2つが全国的に最速という結果となった。しかし、ULTRA Wi-Fi 4Gは都市部の建物が林立している場所や、半地下のような場所では、3G、または通信圏外となり、実効速度が不安定となる場面があった。

 一方で、UQ WiMAXは、全国的に実効速度が安定する結果となった。Xiは、安定した通信を行える一方で、実効速度でやや物足りなさがあり、EMOBILE LTEについてもスペック値に対する実効速度の物足りなさが目立つ結果となった。料金プランはUQ WiMAXとEMOBILE LTEが月額3880円で最安。高速エリアカバー率はUQ WiMAXが全国80%で充実している。

 また、UQ WiMAXを除き、一定の通信量を超えると利用制限(速度制限)が発生することも注意すべき点だ。Xiは、当日を含む直近3日間のデータ通信量が1Gバイト以上の場合は速度制限がかかる。2012年10月以降、当月利用のデータ量が7Gバイトを超えた場合、当月末まで通信速度が送受信時最大128kbpsになる。なお、10月以降は別途申込み(7Gバイト超過後、2Gバイトごとに2625円)をすることで制限は解除される。

 ULTRA Wi-Fi 4Gは、直近3日間(当日は含まない)のパケット通信量が839万パケット(約1Gバイト)以上は当日1日、速度を制限する。10月以降、毎月利用のデータ量が5Gバイトを超えた場合、請求月末まで通信速度を送受信時最大128Kbpsに制限。10月以降は別途申込することで、5Gバイト以内の通信速度と同じ通信速度で利用することができる(5Gバイト超過後、2Gバイトごとに2625円かかる)。

 EMOBILE LTEは、24時間ごとに300万パケット(366Mバイト)以上利用した場合、当日21時~翌日2時まで速度制限。2014年5月以降、当月利用のデータ通信量が10Gバイトを超えた場合、当月末までの通信速度が制御される。

 UQ WiMAXを除き、各社契約は2年縛りとしている(UQ WiMAXは1年)。キャリア各社のインフラ整備が進んでいくこの時期に、2年縛りで契約をするべきか、ユーザーとしては、サービススペック・料金体系・各社の動向を慎重に判断せねばならない。一部メディアでは、「iPhone」の次期バージョンがLTEに対応して出荷されるとの見通しも示唆されている。今後さらに加速するであろう、スマートフォンの普及にともなうユーザーの通信品質に対する要求に、キャリア各社は応えられるのだろうか。

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