FabCafeが目指すのはただデータを持ってきて、それをものに変えるだけの「ものづくりカフェ」ではないという。DIWO(Do It With Others)によって、クリエイティブの新しい姿を模索していくことこそがそのゴールになる。
林氏は、ロフトワークに資本参加する伊藤穰一氏がMITメディアラボで語ったという「Throw Away Your Map.Embrace Serendipity.(地図や推測を捨てて、偶然やその瞬間に生まれるアイデアを大切にしよう)」という言葉、そしてその概念をFabCafeで引き継いでいきたいと語る。
「新しい価値を生み出すには、思いもよらない出会いや発見といったセレンディピティが大事になってくる。コワーキングやFabなどの動きも、新しいコラボレーションを求める人たちが出てきたからだこそ出てきた。まさにオープンイノベーション。凝縮された空間や体験自体が思考回路を変えていく。コラボレーションやアジャイルといった考え方も元をたどれば同じ地殻変動」(林氏)。FabCafeでも、来店者に来てくる人たちにFabを教えるのではなく、来た人たちから予想しなかった使い方や組み合わせが生まれることを期待しているという。
また、カフェの利益の一部をFabLab Japanに寄付するなど、Fabの活動を継続させる仕組みを作っていく予定。世の中のクリエイティブの流通を活性化するというロフトワークのミッションとFabCafeの活動がうまく連動しているともいえる。
3月19日からはカフェも本稼働し、営業時間も延長される予定。店頭でレーザーカッター利用の予約も受け付けていく。オリジナルグッズの販売や、来店者の作品の販売なども手がけ、デザイナーやクリエイターの作品を認知させる場としての機能も強める。また設備面では、レーザーカッター以外のデジタル工作機械を導入する計画もあるそうだ。さらに、ものづくりに関わるイベントも順次開催していく。
クリエイターとの接点を作り、トライアンドエラーを繰り返しながら開発をおこなう流れをFabCafeは作りだそうとしている。ぜひ一度足を運び、自分自身の手で体験して欲しい。
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