もちろん注意すべきこともある。これらのデバイスは、Appleのコンピュータのコストのごく一部にすぎない。また、Appleは最終的にハードウェアをアップデートの対象から段階的に外していき、旧モデルには最新モデルよりも少ない機能しか提供しなくなる。ただし、「iOS 5」は「iPhone 4」の旧モデルである「iPhone 3GS」もサポートする予定で、Appleは同OSでこれまでの方針を変えるつもりなのかもしれない。
しかし、iOSのアップグレードモデルも、最初からこうした無料アップデートだったわけではない。Appleは、自社の財務諸表におけるiPod touchの収益認識を変える前、iOSアップデートに課金しており、メジャーリリースの谷間の小規模なアップデートも有料だった。同社がサブスクリプションベースの製品と見なしているiPhoneと異なり、iPod touchは顧客が一度料金を支払って買い取る製品であり、Appleは「iTunes」音楽ストアでの購入やアクセサリの販売から、さらに売り上げを得ることを望んでいた。だが、App Storeが登場すると、その考え方は一変した。Mac App Storeでも同じことが起こりえるのだろうか。
コンピュータとの大きな違いは、Appleは顧客がマシンを購入した後も、その顧客からさらに売り上げを得る機会を常に有していたという点だ。ソフトウェアの売り上げや「AppleCare」に加えて、有料のMac OS Xアップグレードが数回購入される可能性もあった。しかし今、ソフトウェアとOSアップグレードはかつてないほど密接にOS自体に統合されている。
今はアプリケーションを入手したければ、Appleによって提供されたソフトウェアで購入できる。Mac OSを次期メジャーリリースにアップグレードする場合も、Mac App Storeから提供される可能性が高い。このことは、無料のOSアップグレードへの方針転換を示す十分な材料と言えるだろうか。AppleがまだLionに課金しているという事実を考えると、答えは「ノー」だ。
ただし、本当に「もしも」の話だが、AppleがiOSアプリケーションをMac OSに対応させることも考えられる。iOSで登場した非常に多くの機能やスタイルの変更点がLionでも採用されているという事実は、両OSがやがて交わる可能性を示唆している。そのようなシステムがAppleの現行マシンで動作するかどうかは、また別の問題だが。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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