既存の殻を打ち破る--IT部門の幹部に贈る4つのティップス - (page 2)

文:Patrick Gray (Special to TechRepublic) 翻訳校正:村上雅章・野崎裕子2010年11月24日 07時30分

従業員の育成と組織の発展--資格ではなく人を雇用する

 採用担当者にとって、IT関連の資格というものは説得力ある訴えかけに思えるはずだ。このため、わざわざ採用面接を実施し、応募者の評価や審査を行わずとも、特定資格の取得有無に着目するだけで適切な人材を判断できるというささやきがどこからともなく聞こえてくるかもしれない。しかし残念なことに、こういった甘い言葉は、ギリシャ神話に登場するセイレーンの歌声(船乗りを惑わし、船を岩に座礁させると伝えられている)のようなものだ。気が付けば適性のない、あるいは役に立たない人材を採用し、組織は暗礁に乗り上げてしまうことだろう。

 人材採用というものは難しい仕事であり、そのなかで最も困難なのは適性のある人材を見極めるということである。人事部に対して「Xという資格を有している応募者20人分の履歴書を持って来てもらいたい」と告げるのは簡単である。しかしそのようにしたとしても、応募者としてふさわしくない人物の履歴書が20通集まるか、さらにひどい場合には適性のない人材を採用することになるのが落ちである。資格の有無に頼るのではなく、求めている人材を採用するうえで履歴書のどういった側面が重要となるのかを、人事部に対して時間をかけて説明するべきである。それは特定のグループや業界に属している人物なのだろうか?あるいは具体的な分野でのマネジメント経験の有無なのだろうか?あなたが優秀だと考えている自社の従業員と採用担当者を引き合わせ、じっくり話をしてもらい、同じような人材を見つけるための採用基準を把握してもらうのがよいだろう。また、学習能力や適応能力の高さを実証した応募者を採用するようにすべきである。最新資格を有した人材であれば、入社したその日から会社に貢献できるかもしれないが、学習能力を備えていなければ、その資格が時代遅れになるとともに、自らも時代遅れの人材になってしまうのである。

 採用の手間は増えることになるものの、適性のある応募者を見極めるようにすることで、会社に価値をもたらす人材が得られるだけでなく、長期に渡る会社への貢献も期待できるようになるはずである。また、そういった人材は最新の資格だけが取り柄という応募者よりも高い適応能力を示すはずだ。

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