アナリスト企業Creative StrategiesのプレジデントTim Bajarin氏は、セキュリティソフトウェアがチップに組み込まれると考えてはならないと述べる。核となるCPUに追加のグラフィックスチップやモデムへのブリッジがあるように、CPUとセキュリティ要素をブリッジで結ぶ可能性が高いという。
「今回の買収によって、IntelとMcAfeeは共同で作業し、何らかのシステムオンチップ(SoC)ソリューションを通して、次世代のソフトウェアセキュリティをプロセッサに結びつけることができる。今日、ハッカーがシステムに侵入したいと考えた場合、それはほぼ確実にソフトウェア経由で実行される。しかし、IntelとMcAfeeはもう1つ別の層のセキュリティを追加できる。それが実現すれば、ハッカーはソフトウェアコードだけでなく、ハードウェアコードも突破しなければならなくなるだろう」(Bajarin氏)
Bajarin氏によると、McAfeeは買収後もアンチウイルスなどのセキュリティソフトウェアを販売するが、同社がIntelと共同で行う作業は将来的にテクノロジの状況を根本から変える可能性があるという。
「IntelはMcAfeeの戦略的パートナーになり、次世代のセキュリティソフトウェアで革新を起こすことができる。そのソフトウェアはチップレベルにまで到達できるもので、今まで誰も作ったことがないものだ。両社がどのような革新を行うかだけでなく、サーバやPCからワイヤレスデバイスまで、あらゆるもののセキュリティをどう確保するのかについても注目すると面白いだろう。それが両社の挑戦になるはずだ」(Bajarin氏)
eEye Digital SecurityのCTOであるMarc Maiffret氏は、Intelはデバイスレベルでハードウェアにセキュリティ機能を追加するが、チップレベルで追加するとは限らないと予測している。Maiffret氏はまた、IntelがいずれMcAfeeのソフトウェアベースの製品を段階的に廃止していくとみている。
「テレビなどのデバイスや車には、今後もインターネット接続機能が組み込まれていき、実際にコンピュータになっていくだろう。IntelはMcAfeeの侵入防止やアンチウイルスをあらゆるデバイスに提供する機会を見いだしている。Intelは1990年代後半、『LANDesk』製品によってアンチウイルスセキュリティ市場に参入したが、その後同製品をSymantecに売却した。したがって、Intelは決して旧式のセキュリティソフトウェアビジネスに復帰しようとしているわけではない」(Maiffret氏)
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