「最終的に、Googleは中国での存在感を維持できるとわれわれは考えている。われわれが引き続きそう考えるのは、中国政府は社会の安定性向上を望んでおり、Googleを全面的に排除すればその安定性という目標を達成できないだろうと考えるからだ」。Googleのビジネス動向を詳しく追っているPiper Jaffrayの金融アナリストGene Munster氏は、このように述べる。
しかし、平和の代償として、Googleが力を入れている「Google Suggest」機能の提供を断念することになったのかどうかははっきりしない。Google Suggestは、中国語で検索を行い、文字を入力する手間を省きたいと考えるユーザーにとって便利な機能だ。時期が一致することについてGoogleはコメントを差し控えているが、Googleが事業免許の更新を申請したちょうどそのころから、中国でGoogle Suggestが遮断され始めており、Googleは今では中国でのサービス提供状況一覧ページで「Web Search Suggest」を別項目に分けて表示している。Google Suggestは以前、表示される入力候補の一部があまりにもわいせつだという批判のもと、中国政府の怒りを買ったことがあった。
Googleは、対中戦略を変えるたびに、検索の検閲を回避するという公に誓った信念と、21世紀における最重要インターネット市場の1つとなる国で存在感を維持したいという希望との間で板挟みになり、いっそう難しい立場に自らを追い込んでいる。いつか中国の法律と慣習が変わる日が来るはずだ、という望みを持ち続けているように見える。
しかしその日が来るまでの間、Googleが中国での今後の進路を計画するには、アルゴリズムなど出る幕のない、微妙な駆け引きを演じる必要があるだろう。中国でのGoogleの将来のためには、中国の情報関連省庁だけでなく、自社内でも風向きを読む必要があるだろう。どこまで意志を曲げられるのかを正確に知るためにだ。
そのためのアプリは存在しない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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