柴田 iPhoneのApp Storeは15万本以上のアプリがそろい、30億本以上がダウンロードされるという活発なマーケットに成長しましたよね。さらに開発コミュニティが広く急成長が見込まれるAndroidマーケットも楽しみです。Windows Phoneも「Windows Marketplace for Mobile」を始めて、今後の展開から目が離せません。
Marketplaceが始まる以前から、Windows Mobileはユーザーコミュニティが活発で、そうしたところからアプリケーションを入手したり、情報を得たりということが当たり前になっています。例えば「WindowsCE FAN」あたりには、僕も相当古くからお世話になってます。
それぞれのプラットフォームで、ソフトを入手する環境や、開発者に対する環境整備の状況は、今、どうなんでしょう?
石井 iPhoneの開発環境はObjective-Cという特殊な言語ですが、今のところ、出てくるアプリのラインアップやクオリティは秀逸だと思います。AppleがちゃんとソフトやOSを管理している点が、ひとつの要因なのではないかと思います。
柴田 「ハックできる楽しさ」も残しておいてほしいという気持ちは多少あるんですが、プラットフォームの提供側がそれに寛大になると「マニアのおもちゃ」化してしまう傾向はありますよね。
西 Androidユーザーは、今のところ、そういう流れが強いかもしれないですね。
柴田 Windows Phoneでは、PCにおける昔からのフリーソフトやシェアウェアの流れで、自分で用途に合ったアプリを探し出して、ダウンロードし、インストールするというスタイルがまだ根強い。個人的にはそれでもいいんですが、iPhoneのApp Storeなんかと比べると、普通のユーザーには難しいですよね。どうすれば自分の目的に合ったアプリが使えるようになるか、もう少しわかりやすくなると良いのですが。
宮田 Androidマーケットも、これからまだ改善の余地があると思います。検索精度を上げたり、ジャンル分けなどをより分かりやすくするとか。まずは、アプリ開発者が手がけた新しいアプリがどんどん紹介されて、それをユーザーが使いながら盛り上がっていくような場になっていってほしいですよね。
松村 iPhoneのApp Storeでも、自分で作って公開したアプリがなかなか発見されないという開発者の声は聞きます。何しろ15万本あり、毎日500本前後のアプリが増えているのが現状ですからね。最近ではカタログアプリ、つまりアプリ紹介をするアプリまで登場している状況です。アプリ検索問題はどのマーケットでも同じかもしれません。あとは、課金の問題ですね。iPhoneのApp Storeもクレジットカードが障壁となってアプリを買わない人がいます。せっかくiTunesカード、App Storeカードがあるのに、その存在がまだまだ多くの人に知られていない現状はありますね。
西 確かに、クレジットカードは壁かもしれませんね。
柴田 「ネットのコンテンツに消費者はお金を払わない」という問題に対して、iモードは課金を月々の請求に含めることで解決していました。しかし、スマートフォン時代になって、また同じ問題が出てきているようにも思えますね。
アプリの入手方法と課金の整備は、よりスマートに解決してもらいたいものですね。というのも、スマートフォンの最大のメリットは、自分に合うアプリを入れながら、端末を育てていけるところだと思うんです。自分のスマートフォンと他の人のスマートフォンの中身がまったく同じということはあり得ない。ユーザーがアレンジして自分の情報環境を作っていく、という要素を体験しやすい仕組みが求められるんじゃないかと。
西 どのプラットフォームでも、見やすいアプリポータルは欲しいですよね。また、Androidマーケットは有料アプリも払い戻しができます。インストールしてから24時間以内なら買わなかったことになる。有料アプリも試すことができる点で、よりしっかりと品定めができるんじゃないでしょうか。
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