もう1つ注意すべきことは、AppleはiBooksサイトを自社で作る必要はなかったということだ。すでにさまざまな電子書籍アプリが存在しており、iPadに書籍を送り届けるのも簡単にできただろう。しかし、ここでもAppleは独自のやり方でことを進め、書籍は、おそらくはすべてのメディアの門番になろうとする計画の、中核的な部分となった。
iPadの使い方について言えば、それはAppleがここ数年取り組んできたことの集大成だ。iTunesから何かを買ったことのある人、App Storeのゲームをプレイしたことのある人、仮想キーボードに慣れている人は、知らないうちにiPadの練習をしていたということになる。
AppleはiPodによって、CDやDVDといった物理的コピーのないメディアを購入することに人々を慣れさせた。またiPhoneによって、ピンチやズーム、スワイプ、仮想キーボードといったタッチスクリーンによる操作や、サードパーティーアプリケーションの有用性、そしてポケットの中のウェブという観点から考えることを教え込んだ。これらのことすべてが、iPadの主な特徴となっている。Jobs氏が27日に述べたように、「iPod touch」やiPhoneを持っている7500万の人々が「iPadの使い方をすでに知っている」と言える。
それこそが、Appleのすべての製品に対する哲学だ。ユーザーが「分かる」ものでなければならない。つまり、デバイスを初めて手に取ったときに、直感的に使い方が分からなければならない。iPadは、最初のiPod touchや最初のiPhoneとは対照的に、われわれがすでに体験している他のデバイスと非常によく似ているので、テクノロジにちょっとした興味しかないような平均的な消費者にとって、このことが本当に成り立つかもしれない。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
パナソニックのV2H蓄電システムで創る
エコなのに快適な未来の住宅環境
OMO戦略や小売DXの実現へ
顧客満足度を高めるデータ活用5つの打ち手
企業や自治体、教育機関で再び注目を集める
身近なメタバース活用を実現する
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」