しかし、プログラマーにとって内容の充実した挑戦があり、Microsoftの自己満足によって豊富な機会が残されていた。Shaver氏は、「当時支配的だったブラウザを調べ、どんな側面でも取り上げて、それを上回ることができた」と述べている。
Firefoxは、徐々にウェブ開発者の支持も得ていった。IEではない別のブラウザに対応するには労力が必要だったが、Firefoxが最終的に広範に使用されるようになって、その手間をかけるに値するようになった。そして、ウェブ標準に対応するよう努めたMozillaの取り組みによって、他社がブラウザを登場させる際の困難が軽減された。
Mozillaは、例えばMicrosoftほどではないにせよ、オープンソースプロジェクトという基準では財政的に成功した。その成功の種は、Firefoxの初期にまかれた。当時、このソフトウェアのスタートページは、Googleの検索エンジンへのリブランドされたウィンドウとなっており、右上の独立した検索ボックスから、より多くのクエリをGoogleに導いた。Mozillaは、結果として生じた検索広告の売り上げから分け前を得ている。同社が発表している年間の数字のうち最新のものは2007年だが、Mozillaの売り上げ7500万ドルのうち、89%はGoogleから得たものだった。
Googleの共同創設者であるLarry Page氏とSergey Brin氏が、Mozillaの発展に個人的に手を差し伸べてくれたとShaver氏は言う。
「Google創設者のSergeyとLarryは非常に協力的だった。2人は支援するための方法を見つけようとした。われわれからGoogleに送信されるトラフィックについて、何ができるかを知りたいと考えていた。2人には対処すべき多くのことがあったが、長い間Googleにおけるわれわれの担当者だった」(Shaver氏)
そして、Googleは、スペルチェックやネットワークスタックソフトウェアのコードにも貢献した。
支援したGoogleのプログラマーの中には、FirefoxのプログラマーであるBen Goodger氏や、Firefoxのインターフェースをカスタマイズするためのソフトウェア「Greasemonkey」を考え出したAaron Boodman氏がいた。
Shaver氏は、「本当に助けられた。それは常に、売り上げの関係とはまったく無関係だった」と述べている。そして、Googleの偉大なところは、検索エンジンの取引を利用してブラウザの開発方向に圧力をかけることをしなかった点だとShaver氏は言う。
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