人気を博しているiPhoneアプリ「Ocarina」や「Leaf Trombone: World Stage」を開発したSonicMuleの最高クリエイティブ責任者(CCO)であり共同創業者であるGe Wang氏は、ARこそ、次世代のiPhoneゲームが向かう方向性だと考えている。
iPhoneというデバイスは、人々のコンピューティングに対する捉え方を新時代に導き、モニターの前から離れてどこへでも好きなところへ行けるようにしている、とWang氏は語る。その結果として、ゲームは、新しく発見された自由なコンピューティングを利用して、仮想世界と物理世界との境界をあいまいにすることができるようになるだろう。
「iPhoneなどのスーパースマートフォンによって、おそらく初めて、ARのために必要ないくつかのもの(の収束)が達成されたと思う」(Wang氏)
1つ目は、膨大な数の人々が手にするユビキタスコンピュータであり、2つ目は、常にユーザーの手元にあるそのデバイスが、常時ネットワークに接続し位置を認識していることだ、と同氏は言う。
それに加えて、iPhone(特にiPhone 3GS)が豊富なセンサ機能を備えており、これまで以上にネットワークゲームを開かれた世界に持ち出すことができるという事実がある。
「このような、いわば混合的な仮想現実にとって、これほど適した、これほど熟した時が訪れたことは、かつてなかった。これはある種の代替現実であり、拡張現実だ。『Second Life』のような2番目の人生というわけではないし、1番目の人生でもない。1.5番目の人生とでもいうべきものだ」(Wang氏)
またWang氏は、「iPhone OS 3.0」のプッシュ通知機能についても言及した。同氏は、人々がゲームを一緒にプレイする上での原動力をゲームデベロッパーは変えることができるだろうと示唆し、プッシュ機能によって、「人々は能動的である必要はなくなり、受動的になることができる」と述べた。
別の言い方をすれば、このデバイスは操作が必要になった時点で通知を送ることができるため、マルチプレーヤーのiPhoneゲームで、各参加者がどこにいようと順番にプレイすることができるだろう。これはほんの一例にすぎない。このようなツールをゲームに実装する無数の方法を予言することは難しいが、Wang氏にとってこのような機能は、プレーヤーが、プレイするゲームに対し能動的というよりも受動的な関係を持つ可能性があることを意味する。
もう1つ、今後登場しそうなゲームにおける革新として、映画「ウォッチメン」の公式iPhoneゲームを開発したiPhoneアプリ開発企業Last Legion Gamesの最高経営責任者(CEO)であるSeth Gerson氏が「パーソナライズされたアプリケーション内購入」と呼ぶものがある。
既に一部のiPhoneゲームやそのほかのアプリケーションで、アプリ内での購入が可能だ。しかし、Gerson氏から見ると、それらはユーザーの個人的な好みに無頓着な、味気ない品揃えであることが多いという。
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