また塚崎氏は、石田氏の「世界観」という言葉をとらえて、「過激な言い方だが、(世界観の統一のためには)『独裁者』が必要だと思う」とした。塚崎氏は、日本の家電メーカーがプラットフォームにならない理由の1つとして、メーカーの担当者が大体2〜3年で変わるという現状を紹介した。こういった状況では、新しい担当者は前任者の企画や設計から何かしらの変更を求められるため、プラットフォームの世界観が形成されないままになってしまうという。
パネルディスカッションの最後には、デバイスとネットワークとを連携するサービスや製品を開発する人々へのエールが送られた。
石田氏は「インターネットはウェブだけではない。たとえばスマートグリッドもインターネット。インターネットがあることで今まであきらめていたことができるようになるので、ウェブ以外のことも考えるべき」と、幅広い分野でのネット連携について考えるように求めた。
辻野氏はここでも「宣伝になるが」と語った上で、「Googleは物事を調べるために使ってもらったり、企業が昔自前で作っていたシステムも提供したりしている。また広告主の成長につながるAdwordsもある」と自社の「個人や企業をエンパワーメントする」という役割について説明した。
しかしそんなGoogleも、いくつかのサービスにおいて、ユーザーとのコミュニケーションがうまく取れていなかったことがある。辻野氏は「我々はイノベーションを起こし続ける宿命にある。しかしただ作るだけでなく、理解して受け入れられないといけない。皆さんにも説明責任を果たしたい」と、今後の姿勢についても触れた。
塚崎氏は「プラットフォームやツールが用意され、体力のないベンチャーも世界に向けた製品を考えられる。また、不況下でこれまで大企業がいたポジションに入るチャンスができた」と期待を寄せる。さらにソーシャルメディアやブログの存在に触れ「新しい事業を知ってもらうチャンス。1人1人に話しかけることができ、大きなパワーになる」と語り、ディスカッションを締めくくった。
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