過去2年間、ベンチャー投資家は薄膜太陽電池テクノロジ企業に莫大な資金をつぎ込んだが、そうした企業の多くは存続しないだろうと考えられている。スマートグリッドテクノロジ(およびエネルギー貯蔵)は2009年、同じようなレベルの興奮状態を生み出している。しかしSouthwest Securitiesの投資銀行業務担当マネージングディレクターを務めるBen Koch氏は、太陽電池バブルとはいくつかの違いがあると言う。
「スマートグリッドでは、企業の数は少なく、より成熟している」とKoch氏は述べ、需要反応(demand-response:DR)サービスを提供するComvergeが、株式公開前にユーティリティ企業の顧客を500社獲得した点を指摘する。
その一方で、資金が殺到すれば、よりリスクの高いベンチャーが資金を得るということになる。「不合理なほどの潤沢さにはならないだろうが、不適切な投資も多少あり得る」(Koch氏)は言う。
Koch氏は、電力業界においてIBMやCisco Systems、Intel、Googleの存在感が増したことで、より小規模な企業にとっては競争が厳しくなる可能性があると付け加えた。
大手IT企業のスマートグリッドへの関心を理解するために、Duke Energyのプログラムを考えてみよう。
同社は営業地域内に500万台のメータを設置しており、それぞれの顧客は、給湯装置や冷蔵庫など主要な家電製品をいくつか所有している。電力供給網上にある膨大な数のセンサに加えて、そうしたデバイスの1つ1つがネットワークに接続することが考えられる。
こうしたデバイスが生成する膨大な量のデータを収集し、その意味を理解するためには、強固なネットワークと高度なITシステムが必要だ。
Duke Energyの最高技術責任者(CTO)であるDavid Mohler氏は、次のように述べている。「接続される機器の数と、処理する必要があるデータの量だけでも、膨大なものだ。われわれは、情報アーキテクチャの構築が必要だと早い段階で気がついた。それは電力会社のスイートスポットではない」
代わりにDuke Energyは、そうしたデータ通信ネットワークを構築する契約をCisco Systemsとの間で締結した。Duke Energyはすでにスマートグリッドテクノロジのテストを行っており、2009年第4四半期には、オハイオ州とインディアナ州で大規模な展開を開始する計画だ。
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