Kasperskyを設立する時には、アンチウイルスをビジネスにしようなどと考えていなかった。世界最高のアンチウイルス製品を開発する、世の中のセキュリティに貢献することを目指していたのだ。数年間に渡って社員に給料を支払えなかったくらいだ。
我々はこのポリシーでずっとやってきて、利益も出るようになった。だから、あえて別の道を探す必要もない。企業買収したり、されたりしている会社は、結局競合の中でうまくやっていけないという現実があるのだろう。私たちは市場のなかで地に足をつけてやっていく。
ビジネス色が強すぎると流行すたりや切り捨てが起きる。しかし、我々はそれにあてはまらないのだ。
もうひとつ、Kasperskyの成長は我々だけの力ではない。パートナーシップに力を入れており、特に初期はOEMパートナーに力を貸してもらった。
(Kasperskyの)歴史的背景からいっても、OEMから事業を始めていく部分がある。OEM提供をきっかけに広がっていくイメージだ。ワールドワイドでみると、コンシューマ向け製品、法人向け製品、OEM製品と、3つの柱が根付いてきている。そのため、特にOEMやコンシューマに注力するというよりも、3本柱に注力している。
思い起こせば欧州もOEMで参入したし、米国もOEMからスタートした。日本ではまだ知名度が高くないので、日本で活動しているベンダーと協力してやっていきたい。
Kaspersky Labs Japan代表取締役社長 川合林太郎氏:今回の協業は、デジタルアーツが作り込んで2009年9月にICAP版をリリースするというもの。2010年第2四半期にリリース予定の統合版でOEM化する予定だ。
Windows 7はアンチウイルス機能を持つため、これまでも多くの同じ質問を受けている。
しかし、考えてみてほしい。OSだけを購入する人はあまりいないだろう。PCを買えばOSはインストール済みで、その中にアンチウイルスソフトがだいたい入ってる。だからといって、それが我々に影響を与えたかというと、そうでもなかった。これからもそうだろう。
OSベンダーが作るアンチウイルスソフトのレベルにはかなり懐疑的だ。OSベンダーはOSの利益を追求しなければならない。しかし、私は利益の追求とセキュリティの追求は相反するものだと考えている。OSベンダーが質の高いアンチウイルス製品を出してくるのは非常に難しい。
OSとセキュリティソフトには大きな違いがある。OSは、OSとしての能力が100%でも80%でもそれほど大きな違いはない。しかし、セキュリティソフトの能力は100%と80%、あるいは40%で大きな差が出る。セキュリティレベルの高いソフトは1万円の被害で済むが、品質が悪いものだと数倍になってしまうのだ。
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