もちろん、DEMOと異なるモデルも存在する。例えば、Arrington氏とWeblogs, Inc.、およびMahaloの創業者Jason Calacanis氏が中心となってサンフランシスコで毎年開催している展示会TechCrunch50では、えりすぐりのテクノロジ新興企業が、出展料を支払うことなく、大勢の世界トップクラスの著名テクノロジジャーナリストたちの前で商品を紹介することができる。
Calacanis氏はこう言う。「TechCrunch50では、(出展者には)一切料金が課されないため、かかるコストは人々の時間だけだ。市場が低迷している時期には、知性と創造性にあふれた多くの人々に空き時間ができる。新興企業にとって、文字通りコストはゼロだ。わたしの試算では、メインステージに上がれば、25万ドルから100万ドルに相当するメディア露出を果たすことができる」
Calacanis氏によれば、TechCrunch50のモデルは非常にうまくいっているように思えるという。「2009年は過去2年に比べて、応募期限、講演者の依頼、スポンサーシップなどについて企業から多くの問い合わせがあり、需要が高まっていると感じている」(Calacanis氏)
それでも、カンファレンスがこの状況下で拡大を見込むのは現実的ではない、と主張するのは、TechWebのFaurot氏だ。
「カンファレンスに伴う移動の物理的な制約と費用を無視することはできない。したがって、確固たる地位を築いていないイベントはどれも、深刻なリスクを抱えているといえる。カンファレンスの入場券の販売は2008年より減り、スポンサーシップの販売も2008年より減るだろう」(Faurot氏)
Faurot氏は、TechWebは幸いにしていくつかのカンファレンスカテゴリに「マーケットリーダー」が参加していると考えてはいるものの、経済の後退による影響があることは確かだと説明している。展示会の中には、2007年には約30%、2008年には15%の成長率を示したと思われるものもあったが、2009年はとにかく前年割れしないことを祈っているとFaurot氏は言う。
「われわれは、横ばいの状態を新しい成長と呼んでいる」(Faurot氏)
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