海外ラウンドアップ2008:ネットブックの台頭とPCベンダー各社の動向 - (page 2)

文:Erica Ogg(CNET News.com) 翻訳校正:川村インターナショナル2008年12月24日 08時15分

 Lenovoは2008年1月のConsumer Electronics Show(CES)で、コンシューマーノートPC「IdeaPad」およびデスクトップ「IdeaCentre」といった新製品を発表して、商用コンピュータ製品を補完し、存在感を高めようと試みた。

 しかし、タイミングが悪かった。高価だが設計が優れた新製品ノートPCであるにもかかわらず、その発表は(今は私たちも知っている)米国の景気後退が始まっている最中だった。2008年末にはそれが財務状況に表れ、Lenovoの第3四半期の売り上げは前年同期比78%の急落となった。

 2008年に小型化したのはノートPCだけではなかった。大小のパソコンメーカーは設置面積が最少のデスクトップPCを宣伝し始めた。小規模の専門メーカーShuttleはCESで199ドルのLinuxベースのデスクトップを発表して評判となり、すぐに類似製品が次々と出現した。

 Dellは4月に省電力設計の小型デスクトップ「Studio Hybrid」を発表した。

 「Studio Desktop」は、2008年にDellが予定通りに進めたいくつかの動向の1つだった。Dellの創業者Michael Dell氏は2008年のD6カンファレンスでのインタビューで同社が「かなり大きなものを逃し」、その結果2006年後半に始まった停滞に陥ったことを認めた。

 Dellは経営再建を目指している最中だが、製品が不足しているわけではなく、頑丈なノートPC、タブレットPC、オールインワンPCを捨て、標準のコンシューマーノートPCのデザインを変更した。しかし、収益強化に取り組む一方でパソコン業界での地位を維持する方法を依然模索している。

 コスト削減のため、Dellは米国オースティンの工場を閉鎖し、計画通り人員削減を続けた。2008年の初めには成果を上げたように見えたが、景気がDellの回復を失速させた。年末には、Michael Dell氏はコスト削減のため従業員に無給休暇を申し入れ、請負業務を取り消し、雇用を凍結した。

 対照的にHPは、ハイテク不況にもかかわらず活発な動きをしているようだ。非常に重要なホリデーシーズンの直前にコンシューマー向けネットブック「HP Mini 1000」シリーズの出荷を開始し、パソコン業界で最も期待の持てる業績を上げた。利益はわずかに減少したものの、第3四半期の売り上げを前年同期比19%伸ばした。

 2009年に入ると、パソコン業界全体で利益率の低下が予測される。市場調査会社IDCは、米国および欧州でIT予算が縮小し、コンシューマーが不況を何とか乗り切る中、低価格パソコンの人気が高まると予測している。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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