テクモとしては、地域別にしっかりと戦略を明確化していくことを重要視しています。また、日本市場におけるパッケージビジネスの重要性というのは、そう簡単には変わらないと思っています。
何故かというと、ターゲットユーザーを拡大するという多様化の流れの中で、新しくゲーム市場に入ってきて頂いたお客様の属性は、いわゆるインターネットの世代ではないですよね。また、こうしたお客様の層にインターネットが普及していくには、もう少し時間がかかります。
それらを考えると、最もマスマーケットに訴求していくための戦略として、店頭の一番良い場所に商品を陳列していただくことの重要性は、まだまだ普遍だと思います。
で、それが大前提ではあるのですが、毎週新作ソフトが沢山出てくる状況の中で自社製品を一番良い場所に長い期間おいていていただくのは、とても難しいことです。
そう考えると、パッケージビジネスの弱点を補完する役割として、ダウンロード販売やアイテム課金のような新しいビジネスモデルは、今後着実に広がっていくと思います。
ダウンロード販売では商品のライフサイクルが長くなるというのが、ものすごく大きなメリットだと思います。
それから、ある程度ジャンルの品揃えが整ってくると、オンライン上にいわゆるロングテールの新しいゲーム市場が生まれてくることになります。これは、我々からすれば、在庫リスクを負わずに新しい顧客創造への道が切り開かれていくことにつながります。
先ほどの話と少しかぶってしまいますが、「ターゲットユーザーの拡大とグローバリゼーションに対する対応」というのを、我々は商品戦略の基軸においています。
それを踏まえて日本市場については、やはりテクモとしては「顧客創造」を第一に取り組んでいきたいと考えています。
現在、会社の中で手を挙げた開発スタッフからプロデューサーを抜擢して、ユーザー層の拡大に向けて様々な商品の開発を行っています。先月発売した「DS西村京太郎サスペンス 新探偵シリーズ 京都・熱海・絶海の孤島 殺意の罠」は、その第1弾タイトルですが、セールス面では好調なスタートを切りました。
私も、お客様からお返しいただいたアンケートハガキにすべて目を通したのですが、返していただいたお客様のうち7割が女性の方で、それからさらに半数が30代以上、特にシニア層の方でした。
その方々からのアンケートハガキでは、初心者にとって非常に親切で遊びやすかったというご評価を頂くと同時に、今回はじめてテクモのゲームをプレイしたという方がほとんどでした。このような結果は非常に興味深いですし、また、狙い通りの結果を出すことができたという印象を持っています。
今年から来年にかけては、「ニンテンドーDSのサスペンスといえばテクモ」と言っていただけるように、このジャンルのさらなる強化を図っていきたいと考えています。また、お母さんとお子さんのコミュニケーションを楽しむ、新機軸のゲームを来年は出していきたいとも思っています。これ、実ははじめてお話しすることなんですけれども(笑)。
このようなタイトルを揃えることで、2008年については質、量、それからジャンルという点においても、これまでのテクモの歴史の中で最強といえるラインナップを揃える年にしたいと思っています。
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