スカイラブは、米国初の実験用宇宙ステーションで、軌道上を周回しながら多方面にわたる総合的な学術調査を行うとともに、人間が長期間宇宙で生きていけることを証明するために宇宙へ送られた。スカイラブがSaturn Vによって打ち上げられたのは1973年5月14日だが、そのミッションは困難に見舞われた。打ち上げ直後に損傷が生じたことから、スカイラブを正常に機能させ、人間が居住できる状態に戻すため、地上スタッフはそれから10日間にわたり必死の作業を続けた。1973年から1974年初頭にかけて、スカイラブには3度、それぞれ1〜3カ月間、人間が滞在した。クルーは、宇宙ステーションの管理や補修など今まで誰も経験したことがない作業に従事した。スカイラブ計画中に行われた調査や観測、飛行中の作業のおかげで、後続ミッションが可能となり、それから何年も後に実施される「国際宇宙ステーション」(ISS)計画の礎となった。NASAはスカイラブに20億ドルもの資金をつぎ込んだ。しかしスカイラブは、予想より数年早く、1979年に地球に戻ることになった。落下の際にばらばらになった機体の破片は、インド洋からオーストラリア西部にまで飛び散った。
提供:NASA