「結局は人」。これは私が繰り返し唱えている持論だ。私は心底これが正しいと信じている。もちろん、よいアイデアは大切だ。大きな市場を追い求めることも大切だ。どちらも同じように大切だが、偉大な起業家の必要性に比べると影が薄くなる。
私はこれまで、偉大な起業家の資質についてもいろいろと書いてきた。創業者の中には信じられないほど優れた起業家がいる。純粋な熱意と覚悟を持ち、何もないところからビジネスを築き上げるという挑戦に生きがいを感じ、損失を嫌う。次々と起業する「連続起業魔」の創業者もいる。彼らは確信がなくても先に進む。同じことを前にもやったことがあるからだ。難しい新規事業を何とか立ち上げて、投資家に膨大な利益をもたらす。また、各分野の驚くべきエキスパートである創業者もいる。特定の分野で面白いビジネスを始める方法がわかっているのは彼らしかいない。この分類のいずれかに当てはまる起業家なら、支援してもよいだろう。
数年前、私はNomis Solutionsという会社への出資に関して打診を受けた。Nomis Solutionsの着想は、最新の価格最適化手法を金融サービス分野に応用しようというものだった。銀行や保険会社は、リスクの測定と最適化に関してはかなりの実績を上げているが、価格の測定と最適化についてはもともとあまり得意ではない。結果として、業界全体では莫大な金額をもうけ損なっていたのである。Nomis Solutionsの創業者たちが考えていたのは、金融機関が利益ベースの価格設定に取り組めるよう支援するソフトウェアソリューションを構築することだった。この価格設定とは、商品(自動車ローン、モーゲージ、住宅担保、個人融資など)単位に最大の利益率を実現するものである。
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