Googleは過去にも、名前にまつわる苦い経験をしている。Google Product Searchにコンテンツをフィードするためのサイトとして、『database(データベース)』にかけて名付けた「Google Base」もまた、その目的と名前の意味がわからないユーザーを混乱させている。2005年後半にローンチしたGoogle Baseは、一般の人々や商店がイベントや品物、サービスの情報を掲載したり、世界中の人々と共有したい料理レシピのようなコンテンツを公開するためにも利用できるサイトである。Google Baseについては正式に発表される数週間前から情報が漏れたうえ、GoogleがCraigslist、あるいはeBayにも対抗するつもりだとの憶測も流れていた。
しかしMayer氏によれば、Google BaseはEコマース企業と競合するためのものではないという。同氏は「(仕事をパートタイムやフルタイムに限定して検索したり、寝室が5つある家といった検索を行えるため)分類に従った検索は重要だ」と述べている。また同氏は、「われわれは、そういったことを検索できるということが重要であるとわかっているものの、それはGoogleがこれまで特に成功してきたとは言えないことでもある」とも述べている。
Mayer氏によると、Google Baseには約3万のユーザーから寄せられた数百万にものぼるリスティングがあるという。また同氏は、Google Baseにやがて広告が掲載されるようになるだろうとも述べている。
Google BaseにリスティングされているものがGoogle.comによる検索でどう表示されるかを少し試してみたところ、結果はさまざまだった。Mayer氏によれば、Google BaseにリスティングされているものすべてがGoogle.comの検索結果に表示されるわけではなく、表示されるのは、Googleによって大量のデータが収集されたもののみであるという。例えば、Google Baseには不動産仲介業者から十分な量の不動産情報が寄せられるようになったため、そういった情報は今ではGoogle.comの検索結果の上位に表示されるようになっている。Google.comで「houses san Francisco(家 サンフランシスコ)」を検索すると、場所や、差し押さえ物件や転貸物件、販売物件といった分類によって検索結果を絞り込むための機能が表示される。こういった機能は、自動車や求人、料理のレシピなどを検索している場合にも表示される。
自動車ディーラーはGoogle Baseに商品をリスティングすることで販売に活用できるかもしれないものの、コンシューマーの場合、リスティングしたものがGoogleのメインの検索結果ページに表示されることはおそらくないため、それほどうまくいかないだろう。また、Google Baseにリスティングされていても、絞り込み検索を行えるほど同種のリスティングが寄せられていなかったり、情報が十分詳しくないという場合、Google.comの検索結果としては表示されない。
食に関する情報を提供するウェブサイトepicurious.comを例にしたGoogleのケーススタディでも、Google Baseにリスティングされたレシピが、料理のタイプや主な材料などのディスクリプタが追加されるまで、検索に引っかからなかったという。対策が施された直後からは、同サイトへのトラフィックは6%増えたいう。
Single Feedの共同創業者で、Google Baseなどのショッピング検索エンジン対策で小売店を支援するComparison EnginesのアナリストBrian Smith氏は「露出の少ない小売店は、情報が正しく入力されていない場合が多い」と述べる。
Smith氏はGoogle Baseについて、ショッピングサイトやバーティカルサイトにとって脅威であると述べる一方で、Googleにとっては、こうしたサイトを打倒することがゴールではないと述べる。「Googleは世界中の情報を整理したいだけである」とSmith氏は述べる。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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