「GPLv3は瀕死の状態」--Linuxカーネルプログラマーの多くが低評価 - (page 2)

文:Stephen Shankland(CNET News.com) 翻訳校正:編集部 2006年09月26日 15時44分

 その文書には、「この分断は…われわれのエコシステム全体を巻き込み、多大なダメージを与え、オープンソースの有用性や生存を脅かす可能性がある」と述べられている。これは、Linuxを販売する企業が、ソフトウェアのパッケージをそれぞれのライセンスのバージョンに合わせたものに分ける必要が出てくるという予想に基づくものだ。さらに、「このため、われわれはFSFに対し今回の行動の重大さを再検討し、手遅れになる前に現在のGPLv3の制定プロセスを中止するように求める」と、その文書では述べられている。

 FSFの弁護士Eben Moglen氏は、現時点でのコメントを避けた。

 Torvalds氏は、この調査ではLinuxカーネルプロジェクトに参加している最も活動的なプログラマー約30人を対象に行われたと述べている。Torvalds氏は投稿の中で、この調査は自分の考えが本当に孤立したものでないことを確認するためのものであったと述べている。

 「わたしは、カーネルに関してはGPLv2の方が適していることは明らかだと個人的に考えていたが、自分の個人的な意見だけに基づいて判断をしたくなかった。他の人々にも意見を聞き、ベストを尽くしたと思いたかった」と、Torvalds氏は述べた。「もし調査の結果が違ったものであれば、わたしはおそらくライセンスに対する自分の姿勢を真剣に見直しただろう」(Torvalds氏)

 Torvalds氏はこれまでGPLv3の草稿を厳しく批判してきた。これは、同氏がGPLv3は不適切にソフトウェアの領域を逸脱していると考えたためだ。異議を唱えているのは、ソフトウェアや動画などのメディアの利用や共有を管理する仕組みを提供するデジタル著作権管理についてだ。GPLv3は、同ライセンスに基づくソフトウェアを実行するハードウェアでのDRMの取り扱いについて規定しており、これは本来の領域を越えているとTorvalds氏は論じる。

 さらに、Torvalds氏は、FSFの「過激な方針」を批判し、実利的なアプローチを取ることを求めている。

 GPLv3に対する懸念を表明している他の団体には、特許規定について反対しているHewlett-Packardや、GPLv2とGPLv3が共存する方法についての情報を求めているOpen Source Development Labsがある。

 Linuxプログラマーのポジションペーパーは、GPLv3の草稿をいくつかの面で批判し、LinuxカーネルについてはGPLv2を使う方針を維持するのが最善だという結論を出している。

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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