ナノテクノロジーに9億ドル
多くの日本企業は新しい方向--具体的には新たに生まれてきた技術の分野で収益を伸ばしたいと考えている。実際、日本政府は今年、約9億ドルをナノテクノロジー研究に投資する計画だ。米国の国立科学財団によれば、この額は欧州全体、もしくは米国の投資額に匹敵するが、ただし米国や欧州と比べると、日本の経済規模(と人口)ははるかに小さい。
「我々はナノテクノロジー商用化の最前線にいたい」とNEC基礎・環境研究所の曽根純一所長はいう。画期的な単層カーボンナノチューブを発明したNECは、これを利用した製品の開発・販売を希望する企業に、関連特許の使用を許諾し、ライセンス収入を得る方針を打ち出している。住友商事とはライセンス契約を締結済みだ。
省エネルギーへの取り組みも、節税効果を狙った部分はあるにせよ、成長市場である代替エネルギー市場を開拓する一助となっている。
代替エネルギーに取り組むトヨタら
トヨタとホンダは北米メーカーに先駆けてハイブリッド車を宣伝し、成果を上げた。9月、トヨタはハイブリッド車「プリウス」の米国での販売目標を今年度の2倍に相当する10万台に引き上げ、来年は世界全体での生産台数を月1万台から1万5000台に拡大する計画を発表した。カリフォルニア州知事のArnold Schwarzeneggerは、同州にトヨタのハイブリッド車工場を誘致しようと奮闘している。
環境の分野では、松下電器も家庭暖房用の水素システムを販売する予定だ。「トヨタ、キヤノン、パナソニック・・・技術を重視し、モノ作りにこだわっている企業は今も強い」と富士通のサーバ事業を統括する山中明経営執行役はいう。
しかし、激動する21世紀の経済環境において、この強みがどれだけ通用するかは不明だ。コンサルティング会社Lifson and AssociatesのThomas Lifsonは、「全体としての流れは悪くない。『2歩進んで、1歩下がる』という状況だ」という。
しかし、その他の多くの人々と同様に、Lifsonも伝統にこだわるこの国についての胸の痛むような意見で自らの考えを締めくくった。「一生の仕事があると考えている人間はもういない」(Lifson)
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