サン、Opteronサーバ専業メーカーを買収へ--A・ベクトルシャイムも古巣へ復帰

Stephen Shankland(CNET News.com)2004年02月12日 11時44分

 サンフランシスコ発--Sun Microsystemsは、Advanced Micro Devices(AMD)のOpteronプロセッサ搭載サーバを設計する新興会社、Kealiaの買収に合意した。Kealiaでは、Sunの共同設立者Andy Bechtolsheimが働いており、同氏はこの買収でSunに復帰することになる。

 Bechtolsheimは、サンフランシスコで開催されたアナリスト向けの会議で、「我々はいくつもの次世代Opteronサーバに取り組んでいるが、これらのサーバはSunには実に最適と思われる」と述べた。

 Sunの最高経営責任者(CEO)で、共同設立者の1人でもあるScott McNealyは、Bechtolsheimの復帰を歓迎し、同氏が再び「社員番号1番」のステータスを取り戻すとの可能性を示唆するとともに、同氏の設計スキルを高く評価した。

 「Bechtolsheimは、地球上で最も仕事量が多く、またエキサイティングで才能のあるワークステーションとシングルボードコンピュータの設計者だ。彼がOpteronサーバを設計すれば、他社には真似できないほど高いレベルのコンピュータを数多く取り揃えることができるだろう」(McNealy)

 Sunは長年にわたって、独自のUltraSparcチップを使ったコンピュータのみを販売してきていたが、しかし最近になって、IntelのXeonやAMDのOpteronなど、いわゆる「x86」チップを採用した製品も取り扱うようになった。現在同社はOpteronを採用して、IBMやHewlett-Packard(HP)、Dellといったx86マシンメーカーの強豪他社へ追い上げを図っている。

 Sunは10日(米国時間)、同社初のOpteronモデルとなるデュアルプロセッサV20zを発表した。さらに、次の四半期には4プロセッサシステムを発表する予定だと述べた。しかしこれらのシステムは、Kealiano技術をベースにしたものではないと、McNealyは説明した。

 BechtolsheimのSun復帰は、2003年に同社を離れた別の共同創立者、Bill Joyの抜けた穴を埋めることになるかもしれない。また、もう1人の共同創立者であるVinod Khoslaは、何年も前に同社を離れている。

 4人の共同創立者はスタンフォード大学在学中に知り合った仲間で、同社の名前「Sun」も、 Stanford University Networkの頭文字を取ったものである。

 Bechtolsheimは1995年にSunを離れ、Granite Systemsという会社を起こした。この会社は後に、ネットワーク機器大手のCisco Systemsに買収されている。Bechtolsheimは、2003年にCiscoを辞め、Kealiaに参加した。

 Bechtolsheimは、IntelのItaniumは役に立たないというSunの見解に同意している。「(Itaniumの)根本的な間違いは、Intel側がたとえそれを標準と呼んだとしても、(x86サーバの顧客が)もっと値段の張るプロプライエタリなシステムに移行したいとは思わなかったことだ」(Bechtolsheim)

 Sanford Bernsteinのアナリスト、Toni Sacconaghiは、Bechtolsheimの才能はSunのスキルと互いに補い合うが、それでもSunの計画に劇的な変化は生じないだろうと述べている。「さいは投げられた。戦略の選択はすでに済んでいる」(Sacconaghi)

 しかし、Kealia買収とBechtolsheim復帰の動きに込められたメッセージは、確かに伝わっていると、Illuminataのアナリスト、Gordon Haffは言う。「これで、SunがOpteronサーバに本当に真剣に取り組んでいることが明らかになった」とGordonは述べている。また同氏は、SunがKealiaの従業員59人を雇用する可能性があり、それが実現すれば、AMD以外では最大のOpteron専門家を集めた企業になるだろうとも指摘している。

 Sunはまた、自社のOpteron計画を加速させるために、V20zを無料で提供する販促キャンペーンを発表した。この対象となるのは、Solarisオペレーティングシステム(OS)のx86バージョン、Java Enterprise Serverソフトウェアの開発版、そしてこれらに付随する自社の開発ツールを利用するための、5人分のライセンスを購入した顧客だ。このパッケージの年間利用料は、3年契約の場合で1499ドルとなっている。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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