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小室哲哉、宇都宮隆、木根尚登。日本が世界に誇るTM NETWORKが神奈川・Kアリーナ横浜で開催されたデビュー40周年ファイナル公演で魅せたTMサウンドのマジックの源泉とは
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Photo:Kayo Sekiguchi
2021年に「再起動」と題して活動再開を宣言して以来、異なるテーマによる4本のツアーを展開したTM NETWORK。2022年に7年ぶりの全国ツアーを行なうと、翌2023年には「劇場版シティーハンター 天使の涙(エンジェルダスト)」の世界観と完全シンクロさせたツアーを敢行。今年1月から3月まで実施したホールツアーではファイナルでメンバーゆかりの地・立川に凱旋。そして、4月からは40周年アリーナツアーを挙行。足掛け3年、トータル40本のロングラン。その集大成となるデビュー40周年ファイナル公演が5月19日、神奈川・Kアリーナ横浜で開催された。
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Photo:Kayo Sekiguchi
メンバーと世代的に近いと思われる顔触れから、ここ数年で彼らの音楽に出会ったであろう新しい世代まで。幅広い層のファン2万人が集結し、熱気が大きな渦となって沸きあがる。定刻が過ぎ、舞台を覆う幕の向こうに3人並んだフォルムが浮かび上がる。上手にキーボードを携えた小室哲哉、中央に右手人差し指を天高く掲げる宇都宮隆、下手にギターを抱えた木根尚登。シルエットだけで圧倒的な存在感だ。一拍おいて木魂したのは、時代を超えて色褪せないフレーズだ。国民的アンセム「Self Control」が冒頭からハートに火を点ける。
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Photo:Kayo Sekiguchi
2曲目の「Maria Club」では、阿部薫が叩く変拍子のドラムスと北島健二のサイケデリックなギターのイントロが観衆を音楽の宙に誘(いざな)う。無数のムービングライトが変幻自在にその色彩と方向を変えていく。宇宙空間を駆け抜けるスターシップを想起させる演出がサウンドとの相乗効果をもたらす。「1974」では懐かしいミュージックビデオが映し出され、彼らとFANKSの足跡を同期させていく。アコギを爪弾く宇都宮とエレキを鳴らす木根が小室のもとに集って音と心を合わせていくエンディングも素敵だった。
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Photo:Kayo Sekiguchi
宇都宮が一旦降壇し、木根のアコギと小室のシンセサイザー、そしてふたりの歌唱による「Carry on the Memories」へ。共に歩んできた人生を噛み締めるようなナンバー。デジタルなイメージが強い彼らだが、心の琴線に触れるフォーキーな作品にも定評がある。宇都宮が舞台に戻り、木根作曲の名バラード「Confession」へ。木根の至極のメロディーラインに宇都宮のヴォーカリストとしての洗練された表現力が加わり、名曲に時代を超える普遍性を与えていた。
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Photo:Hajime Kamiiisaka
中盤は1988年に発表したアルバム『CAROL』収録曲を組曲として披露する。キャロルという名の少女が盗まれた「音」を取り戻すという近未来ストーリー。発表当時、このコンセプチュアルなアルバムは音楽シーンに衝撃をもたらした。ただ、ミュージカルに着想を得て制作されたこの作品の世界観をツアーで再現するための映像技術が当時はまだ無かった。今回、AIの技術も駆使し、ようやく思い描いた映像が完成したという。舞台となるロンドンの季節を通じて移ろう風景や登場人物などが適宜インサートされ、当時目指したメディアミックスの“2024年現在の完成形”を示していく。紡がれるプログレッシブなサウンドに五感を没入させたオーディエンスの恍惚とした表情を見ながら確信した。過去を更新していくからこそ、彼らは素晴らしいのだと。組曲最後の「Just One Victory」が、彼らの“勝利”を祝福するかのように鳴り響いていた。
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Photo:Makiko Takada
後半へのインタールードとしてインストゥルメンタル楽曲「Coexistence」が披露される。パーカッシブな演奏が次なる世界への扉を開いていく。彼らの“意思表明”ともいえる「Whatever Comes」では、新旧のFANKSがギターサウンドに乗ってひとつになる。「RAINBOW RAINBOW」では小室が時にシンセを打楽器のように叩きながら“ビッグバン”を創出する。音楽家小室哲哉の神髄ともいえるひとりオーケストレーション「TK Solo」を経て、Netflix映画『シティーハンター』のエンディングテーマ曲「Get Wild Continual」へ。歌い紡がれてきた「Get Wild」の最新ヴァージョン。それは、時代や国境を超えて伝播していった彼らの音楽のメタファーのようでもあった。
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Photo:Kayo Sekiguchi
続く「ACCIDENT」はブレイク前夜の3枚目のシングル作品。大胆なアレンジでこの夜最速のBPMを記録するアップチューンに変貌させた演奏に、会場中が熱狂のダンスフロアと化す。本編最後は“電気じかけの予言者”のサブタイトルで知られる「Electric Prophet」。10分近い壮大な楽曲が会場を包む中、宇宙から見た地球の姿がスクリーンに映し出される。さながら、次なる始まりを示唆するovertureのようだった。演奏が終わると、ステージから短くカットされた金の紙吹雪が客席に放たれていく。懐かしい演出も含めてこの楽曲から彼らのぶれない原点を感じることが出来た。
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Photo:Kayo Sekiguchi
その後、グランドコンセプトを示す「intelligence Days」が流れ、映画のようなエンドロールがスクリーンに掲出された。この日は1994年のプロジェクト終了時に東京ドームで行な
った「TMN 4001 DAYS GROOVE」が開催されてちょうど30年の節目の日でもあった。グローバルな視点で長期的・戦略的ヴィジョンを設計し、その都度コンセプトとなるキーワードを提示してきた彼ら。積極的にコラボレーションやマルチメディアミックスを行なう野心的な姿勢も全く変わらない。今回も「intelligence Days」「DEVOTION」「Coexistence」というキーワードが提示され、随所に連なるメッセージが散りばめれられていた。
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Photo:Kazuyuki Sanada
そんな彼らの多面的な表現活動の中でも核となっているのは、やはりPOPなサウンドメイキングだ。前衛的かつ挑戦的な音楽へのアプローチをポップミュージックに落とし込む、その絶妙なブレンドの上に成立しているのがTM NETWORKだと今回改めて感じた。小室哲哉、宇都宮隆、木根尚登。それぞれの才能と個性そして魅力が極上のマリアージュを果たしたとき、TMサウンドのマジックが生まれる。彼らの音楽の魔法が時空を超えることをステージで証(あか)したこの夜のコンサートは、“NEXT”への期待に満ちたまた新たなスターティングポイントでもあった。
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Photo:Kayo Sekiguchi
【番組情報】
<TM NETWORK 40th Anniversary WOWOW Special Year>
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●TM NETWORK 40th FANKS intelligence Days ~YONMARU~ at K-Arena Yokohama
7月27日(土)午後8:00~
WOWOWプライムで放送/WOWOWオンデマンドで配信
※放送・配信終了後~8月26日(月)午後11:59までアーカイブ配信
日本が誇るポップミュージックの歴史をアップデートし続けるTM NETWORK。彼らの最新アリーナツアー最終地となるKアリーナ横浜公演をWOWOW独占放送・配信!
収録日:2024年5月18日、19日/収録場所:神奈川 Kアリーナ横浜
●TM NETWORK 40th Anniversary WOWOW Special Year ~Prologue~
7月27日(土)午後7:15~
WOWOWプライムで放送/WOWOWオンデマンドで配信中
※8月26日(月)午後11:59までアーカイブ配信
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40周年を迎えたTM NETWORKをWOWOWが11カ月間にわたり連続特集。メンバー3人が語る特集全体の予告番組を放送・配信。
●TM NETWORK 40th Anniversary Premium Talk Session
Part 1 ~Hosted by 木根尚登~
8月31日(土)午後11:00~
WOWOWライブで放送/WOWOWオンデマンドで配信
Part 2 ~Hosted by 宇都宮隆~ 10月放送・配信予定
Part 3 ~Hosted by 小室哲哉~ 12月放送・配信予定
※放送・配信終了後~1カ月間アーカイブ配信あり
40周年を迎えたTM NETWORKを掘り下げる全3回完結のWOWOWオリジナル番組。メンバー3人でのトークを中心に彼らの“想い”に迫る。
●TM NETWORK Music Video Collection 2024
9月放送・配信予定
※アーカイブ配信なし
TM NETWORKの40周年WOWOW特集を記念し、彼らのキャリアを彩るミュージックビデオ特集番組を放送・配信!
※11月及び2025年1月以降の番組内容については、決定次第、順次お知らせします。
【番組サイト】
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プレスリリース提供:PR TIMES リンク
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