2023年のウイルスレビュー

2023年も引き続き、AutoItスクリプト言語で書かれたトロイの木馬アプリ Trojan.AutoIt が最も多く検出された脅威の1つとなりました。 Trojan.AutoIt は別の悪意のあるソフトウェアの一部として拡散され、それらの検出を困難にします。また、広告を表示するトロイの木馬 Trojan.BPlug やさまざまな悪意のあるスクリプトの活動も活発でした。メールトラフィック内では、さまざまな悪意のあるスクリプトとフィッシングドキュメントが最も多く検出された脅威となりました。Microsoft Officeドキュメントの脆弱性を悪用する悪意のあるプログラムも多く拡散されたほか、さまざまな種類のトロイの木馬もメールを介して拡散されました。

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2023年にテクニカルサポートに寄せられたファイルの復号化リクエスト数は2022年と比較して減少しました。バンキング型トロイの木馬の検出数も減少しています。

2023年は多くの情報セキュリティインシデントによって記憶に残る年となりました。春にはAndroid TVセットやTVボックスを感染させるAndroid 向けトロイの木馬による攻撃が確認され、夏には仮想通貨を盗むトロイの木馬アプリが一部のWindows 10海賊版ビルドに含まれて拡散されていることが明らかになりました。このトロイの木馬はコンピューターを感染させるとEFIシステムパーティションに侵入します。秋にはイランのAndroidユーザーを標的としたスパイウェア型トロイの木馬による攻撃が確認されました。これらのマルウェアは個人情報と金銭を盗むよう設計されていました。また、Doctor WebはメッセージングサーバーOpenfireの悪意のあるプラグインの拡散について注意喚起を行いました。このプラグインはOpenfireの脆弱性の1つを悪用し、攻撃者から受け取るコマンドを実行します。

モバイル脅威では、広告を表示させるトロイの木馬、悪意のあるスパイウェアアプリ、望ましくないアドウェアが最も多く検出された脅威となりました。Google Playでは新たなマルウェアが多数検出され、それらは合計で5 億件近くダウンロードされています。また、AndroidデバイスとiOSデバイスの両方のユーザーから仮想通貨を盗むよう設計されたトロイの木馬も新たなものが発見されました。

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