現物・資産管理クラウドサービス「assetforce」の機能拡張
三井住友ファイナンス&リース株式会社(代表取締役社長:橘 正喜、以下「SMFL」)は、米国でセキュリティ・トークン(ST)※1の発行・管理実績を持つVertalo, inc(CEO:Dave Hendricks、以下「Vertalo」)と、ブロックチェーン※2を活用した資産管理システム(以下「本システム」)を開発し、現物・資産管理クラウドサービス「assetforce※3」の機能を拡張しました。第一弾の用途として、STに関わるデータ管理とST発行業務を一元管理する仕組みの概念実証(PoC)※4を実施したことをお知らせします。今後、データの改ざんが極めて困難であるブロックチェーンの特性を活かし、モノのトレーサビリティ※5が必要とされるサーキュラーエコノミー領域で本システムを活用することを目指します。
■STに関する情報を「assetforce」で一元管理
不動産を対象資産とし、ブロックチェーンを利用したデジタル証券を用いて資金調達を行う不動産セキュリティ・トークン・オファリング(STO)は、発行体・証券会社・アセットマネジメント会社・信託銀行など複数の関係者が参加しています。現状は、資産情報などのデータの関係者間の受け渡しが手管理対応となっていることが多く、対象資産の情報連携に時間を要することやデータの精度・安全性の確保が課題とされています。
SMFLは、現物・資産管理クラウドサービス「assetforce」の資産情報管理機能と、Vertaloのブロックチェーンを利用した資産データの書き込み・保管技術を連携させ、ST組成に関わる複数の関係者間の情報の受け渡しを一元管理できるシステムを開発し、概念実証を実施しました。同システムを利用すれば、資産(アセット)登録・ファンド組成・投資実行・取引処理・ポートフォリオ管理など、複数の関係者間で行われる一連のプロセスを「assetforce」上で一元的に実行できます。実務上の課題となっている手管理作業を省くことに加え、データの精度・安全性を高めることが可能になります。
Vertaloは、米国でST発行・管理の実績を持ち、米国証券取引委員会に登録されているSaaS※6企業です。金融機関のシステムをシームレスにつなぐAPI※7を提供できる開発力に加え、オルタナティブ資産※8の活用に関して優れた知見と経験を有しています。Vertaloが持つSTの発行・移転機能を活用することでプラットフォームを問わずシステム連携が可能となり、STの流動性が高まることが期待されます。
■サーキュラーエコノミーで新たな価値を創造
サーキュラーエコノミーを推進する上で、製品の製造元や使用材料、リサイクル性などの情報を製品ライフサイクル上で共有する「デジタルプロダクトパスポート(DPP)」の導入が注目されています。また、DPPの導入には改ざん困難で正確な履歴管理を行うトレーサビリティの確保が求められます。
SMFLは、データの改ざんが極めて困難なブロックチェーンの特性を活かし、SMFLグループのSMFLレンタル株式会社において、計測器の在庫・貸し出し・校正作業・修理対応などの履歴管理を強化するため、本システムを活用した資産管理を導入予定です。レンタル開始時や売却時に物件の所在・状態などの履歴情報を正確に把握することで、再利用可能な使用済み製品の可視化、円滑な製品の調達、レンタル開始時に点検履歴の真正性を証明することが可能になります。また、中古PC・IT機器のライフサイクルマネジメントにおけるキッティング※9やデータ消去実施の履歴管理においても、本システムを活用した資産管理を検討しています。
履歴管理を強化し、使用済み製品の再利用または中古品の取引や価値を活性化させることで、大量生産・大量消費・大量廃棄のビジネスモデルを変革し、モノを再利用するサーキュラーエコノミーを推進していきます。SMFLはサーキュラーエコノミーの実現に向けて必要となる機能を「assetforce」に実装し、2024年度中の実用化を目指します。
SMFLは、経営理念・経営方針を示す「SMFL Way」のOur Vision(私たちの目指す姿)で「デジタル先進企業」を掲げています。Web3.0時代の中核技術であるブロックチェーンを活用しながら、さまざまなモノへの知見を有するSMFLならではの新たなビジネスモデルと価値の創造を推進していきます。
【本システムのコンセプト図】
[画像1: リンク ]
【Vertalo社の概要】
[画像2: リンク ]
※1 セキュリティ・トークン(ST)
ブロックチェーンなどの電子的技術を使用してデジタル化し発行される法令上の有価証券。
STを使った資金調達(STO)は中長期的に市場の発展・拡大が見込まれている。
※2ブロックチェーン
取引履歴を暗号技術によって1本の鎖のように繋げ、正確な取引履歴を維持しようとする技術。
※3 assetforce
企業が持つ資産の情報や状態を可視化し、資産管理業務の効率化を支援する現物・資産管理クラウドサービス。SMFLが2021年より提供している。 (assetforce Webサイト)リンク
※4 概念実証(PoC)
新たな概念やアイデアの実現可能性を示すために、試作開発に入る前の検証を行うこと。
※5 トレーサビリティ
製品の原材料の調達から生産、消費、廃棄まで追跡可能な状態にすること。
※6 SaaS
Software as a Serviceの略で、クラウド上のソフトウェアをインターネット経由で利用するサービス。
※7 API
Application Programming Interfaceの略で、システム間でデータや機能を連携し、利用できる機能を拡張すること。
※8 オルタナティブ資産
上場株式や債券といった伝統的資産と呼ばれるもの以外の新しい投資資産。
※9 キッティング
ソフトウェアやハードウェアの導入と各種設定を行い、業務で使える状態にすること。
以上
プレスリリース提供:PR TIMES リンク
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