~自治体担当者異動によるミスマッチや、地域おこし協力隊・住民・自治体とのトラブルを防ぐ~
株式会社カヤック(本社:神奈川県鎌倉市、代表取締役CEO:柳澤大輔)は、岩手県花巻市(市長:上田東一)と協働で花巻市地域おこし協力隊のビジョンやカルチャー等をまとめた「花巻市地域おこし協力隊カルチャーデック」を作成し、12月6日(水)より花巻市の公式ホームページに公開しました。
近年、全国的に協力隊、住民、行政職員とのミスコミュニケーションによるトラブルがニュースで取り沙汰されています。協力隊を全国で推進していく上でこのカルチャーデックが互いに歩み寄る際の羅針盤となることを期待しています。
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花巻市公式ホームページ
カルチャーデック:リンク
カルチャーデックとは
企業を中心に、理念、ビジョン、ミッション、バリュー、ポリシーなど、いわゆる企業文化(カルチャー)の基礎となる価値観を明文化したものです。従業員が所属する組織の文化を共有し、行動指針や方針を理解するための促進ツールとして作成・活用されています。
「花巻市地域おこし協力隊カルチャーデック」企画背景
面白法人カヤックは、金銭的豊かさだけを追い求める「経済資本」だけでなく、人のつながりやコミュニティなどの「社会資本」、自然・歴史・文化などの「環境資本」の3つの資本を活かして、持続可能なまちづくりを行っていく「ちいき資本主義事業」に取り組んでいます。その一環として、面白法人カヤックは移住・関係人口促進のためのWebマッチングサービス「SMOUT(スマウト)」などを通じて、2018年から花巻市の地域おこし協力隊の募集に関わってきました。
近年、地域おこし協力隊と地域キーパーソンとによる認識の違いなどのトラブルや、自治体担当者の異動などによる協力隊とのミスマッチが起こっています。一般社団法人 移住・交流推進機構による「地域おこし協力隊の現状と課題」の調査(※)でも、「地域の住民とのコミュニケーション、相互理解」「行政職員とのコミュニケーション、相互理解」を課題と感じている人がどちらも約6割と多くみられました。花巻市でも現役協力隊の方にヒアリングを実施したところ、採用前と着任後で、行政職員によって協力隊の役割や裁量などの認識に相違がみられるケースがあったと耳にしました。
そこで、より地域にマッチした協力隊の採用・運用を行うためには受け入れ側の改善が必要だと、市役所担当者と面白法人カヤックで意見が一致しました。この課題に向き合うため、面白法人カヤックは、花巻市と話し合い、ベンチャー企業等が社内メンバーの認識合わせに活用しているカルチャーデックを協力隊受け入れの体制づくりに役立てることにいたしました。
(※)出典:一般社団法人 移住・交流推進機構 ホームページ「地域おこし協力隊の現状と課題」 リンク
「花巻市地域おこし協力隊カルチャーデック」紹介
ポイント
ビジョン、ミッション、バリューが明文化されていること
公開していることで、誰でも読むことができる開かれたカルチャーであること
今後も地域おこし協力隊と地域の人(住民)と一緒に成長していくものであること
1.ビジョン、ミッション、バリューが明文化されていること
花巻市の地域おこし協力隊のビジョン、ミッション、バリューの幹となっている言葉が、協力隊受け入れ開始時に花巻市長が言った「花巻に来た協力隊員には幸せになってほしい。」です。その思いから「Made in HANAMAKIの『幸せ』をつくる!」ことをミッションと定めています。バリューには、花巻市の協力隊としてこだわって欲しいことが明記されており、「『やりたい』気持ちファースト」などといった協力隊に向き合う姿勢が記載されています。
また、3年の任期を終えた協力隊にどう向き合うかの姿勢も記載することで、市から協力隊という経験を通じて得られる“約束”を宣言することもできます。
2.公開していることで、誰でも読むことができる開かれたカルチャーであること
本カルチャーデックは、花巻市のホームページに常時公開されています。地域がどんなことに課題を抱えていて、地域おこし協力隊に何を期待しているのかは地域によって様々です。これらを予め示しておくことが、協力隊への応募を検討している人にとっての安心感につながります。
3.今後も地域おこし協力隊と地域の人(住民)と一緒に成長していくものであること
このカルチャーデックは一度つくって終わりではありません。今後も住民の声を取り入れながら、柔軟に改善していきます。カルチャーデックが様々な人の目に触れながら成長していくことを期待しています。
「花巻市地域おこし協力隊カルチャーデック」ができるまで
このカルチャーデックは、現役で花巻に着任している協力隊や、地域企業の経営者、自治体職員などからの意見を反映しながら作成されました。
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(カルチャーデック作成中の様子)
花巻市 地域振興部定住推進課 栗澤孝仁 様コメント
今回は、花巻市としても新たなチャレンジという意味も込めて、カルチャーデックの制作に取り組みました。
協力隊制度が全国的に広まっていくなかで、如何にして花巻市の地域おこし協力隊に魅力を感じてもらえるか、そして、如何にして花巻市の文化に共感を持っていただけるかを考えながら作成しました。
このカルチャーデックには、完成という言葉は当てはまりません。
今回の公開がいわばスタートであり、これからも時代の流れやその時々のメンバーに応じて、対話や検討のためのツールとして、柔軟に変化していければ、協力隊員たちも生き生きと活動できるのではないかと思っています。
面白法人カヤック ちいき資本主義事業部 ディレクター中村 圭二郎コメント
地域おこし協力隊を東北地方でいち早く取り入れた花巻市の新しいチャレンジです。地域おこし協力隊は全国で令和4年度に6,447名が活動しており、総務省では令和8年度までに10,000人にまで増やす目標が掲げられています。(※)しかし、協力隊が増えたことで残念なニュースも散見されるようになりました。
禁止事項が羅列された規範のようなものではなく、迷ったときに立ち帰る場所のような存在。そのようなものをどうしたら作れるか考えたときに、ベンチャー企業などが活用しているカルチャーデックに出会いました。
人口減少の課題が迫っている地方自治体に問われていることはベンチャー自治体として如何に個性化できるかだと思っています。いずれはこのムーブメントが全国の自治体にも広がっていくことを願っています。
(※)出典:総務省ホームページ「地域おこし協力隊」 リンク
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(参考資料)
移住・関係人口促進のためのマッチングサービス「SMOUT」について
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SMOUT(スマウト)は移住に興味のある人や地域とつながりたい人と、地域の人とをマッチングするWebサービスです。
関わる地域や移住先を決めるポイントは、行政の支援や立地だけではありません。私たちは「人とのつながり」がいちばんの後押しになると考えました。地域の人から「うちに来なよ」と声をかけられると、地域への訪問や移住への一歩を踏み出してくれるかもしれません。SMOUTは、地域の人と地域に関わりたい人をつなぐ、デジタルプラットフォームです。
2018年6月のサービス開始以来、916市区町村、5万4千人以上のユーザー登録者に増加(2023年11月末日時点)。
・「移住」や「地域」に興味のあるユーザーができること
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地域に興味のある人は、主に2つの機能で地域を知り、つながることができます。1つ目は「プロジェクト」。プロジェクトは、「求人」「暮らし」「空き家」「体験」など、地域のオリジナリティーあふれる切り口で、自治体などの地域が企画したイベントや募集情報などです。プロジェクトでは、地域おこし協力隊の募集や、お試し住宅、現地ツアーの参加募集、地元の人や移住した先輩とオンラインでお話しする機会の提供までさまざまです。2つ目は「スカウト」です。自分のプロフィールを「SMOUT」に登録しておくと、興味のある地域からスカウトが届き、地域の人と直接メッセージのやりとりができるようになります。
・「移住」や「関係人口」を増やしたい地域ができること
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一方、地域側には主に4つの機能があります。「プロジェクト」として地域の情報を掲載できるほか、地域に興味を持ってくれた人や相性の良さそうな人を見つけたら「メッセージ機能」や「スカウト機能」で、ダイレクトに双方向のコミュニケーションが可能です。また、地域の活動状況やユーザーからのリアクションをグラフとして可視化したり、公開したプロジェクトへのユーザー属性や関心度を分析したりできるダッシュボード機能や、つながったユーザーの一元管理も可能です。デジタルプラットフォームである本サービスが今後も各地域のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進をサポートしながら、関係人口拡大を促していきます。
「SMOUT」公式サイト:リンク
「SMOUT」移住研究所:リンク
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株式会社カヤック概要
固定概念にとらわれない発想力・企画力、形にしていく技術力を強みに、ゲームアプリや広告・Webサイト制作を始め、コミュニティ通貨、移住・関係人口促進など最新テクノロジーとアイデアを掛け合わせた新しい体験をユーザーに提供しています。社員の9割がデザイナーやプログラマーなどのクリエイター人材で「つくる人を増やす」を経営理念に多様性を生かしたユニークな人事制度や経営を行なっています。
設立 :2005年1月21日
代表者 :代表取締役 柳澤大輔 貝畑政徳 久場智喜
所在地 :神奈川県鎌倉市御成町11-8
事業内容 :日本的面白コンテンツ事業
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プレスリリース提供:PR TIMES リンク
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